宗慧@活人禅寺

茨城県の大子町にある活人禅寺というお寺の住職をしています。元々は薬剤師で、製薬会社に勤…

宗慧@活人禅寺

茨城県の大子町にある活人禅寺というお寺の住職をしています。元々は薬剤師で、製薬会社に勤務、その後、自身で起業したり、発電事業やホテル事業、水産事業やアグリカルチャー事業等の責任者を経て、住職になりました。誰でも入りやすいお寺、誰でも気軽に話せるお坊さんを目指しています。

マガジン

  • 四行日記

    飽きっぽい自分がなぜか続けている四行日記。四行それぞれの意味とちょっとしたコツのようなお話。

  • シリーズ・気がつけばお寺の住職

    仏教に縁も興味もなく、まさか住職になるなんて夢にも思ってなかった自分が住職になるまでのお話です。

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気がつけばお寺の住職

和歌山県の田舎で生まれました。 大学は薬学部、そして薬剤師、でも薬剤師としての仕事ではなく製薬会社などで新薬の臨床開発に携わってきました。 その後、人事や総務、それから新規事業として地熱発電事業、ホテル事業、水産事業、アグリカルチャー事業等の責任者もしてきました。途中、自分で会社を立ち上げたり、障害者雇用を促進するための会社を作ったり•••気がつけば薬とはだんだんと離れてしまいましたが•••7月からはお寺の住職になります。 なぜ、お寺の住職かというと、端的に仏教や坐禅に魅力

    • みちのく潮風トレイル

      先週、映画の試写会に行きました。 主演は俳優さんではなく、がんの専門医です。 その医師がみちのく潮風トレイルを歩く様子を 撮影したドキュメンタリー映画でした。 青森県八戸市から福島県相馬市まで。 太平洋沿岸に沿って1,000km。 途中、東日本大震災の傷跡を残した建物や 震災後に造られた防潮堤などもあります。 このトレイルコース自体が震災によって 生み出されたものなんだと感じます。 歩くことで様々な人たちと出会います。 震災で家族を亡くされた方。 がんで家族

      • その時のありがたさ

        今週は伊豆の本山にいます。 昨日は浜辺でバーベキューをしました。 浜辺とは言っても、うちの野外禅堂ですが。 天気も良く、暑かったです。 それでも、日陰に入ると、風が気持ちよく、 少しだけ秋の気配も感じました。 バーベキューのあと、 野外禅堂からお寺までの帰り道、 途中にあるカフェに寄りました。 すごくおしゃれな雰囲気のカフェです。 (いわゆる古民家カフェ?) 以前からあるのは知っていましたが、 なぜか勇気が出ず、昨日、初めて入りました。 まだまだ若いオーナーさ

        • 東京男ミシン

          ミシンのお話。 初めてミシンに触れたのは1年半くらい前。 まだ鹿児島に住んでいたとき。 買い物に行ったコストコで、入り口の所に 積み上げられていたミシンを発見しました。 ミシンなんて、当時の自分にとっては 興味も関心も無いものでしたが、 なぜか金額が興味をひきました。 たしか15,000円くらい。 ミシンってこんなに安いの? もちろんミシンの相場なんて知りませんが、 単純にもっと高いものだと思っていました。 で、買ってしまいました! •••使うあてもないま

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        気がつけばお寺の住職

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        • 四行日記
          4本
        • シリーズ・気がつけばお寺の住職
          11本

        記事

          般若心経

          昨日は薬師寺東京別院に行きました。 何をしに行ったかというと••• お写経です。 やっぱりお写経。 自分にとって、薬師寺といえばお写経です。 初めて薬師寺でお写経をしたのが15年前。 しばらくは頻繁に行っていましたが、 その後、鹿児島に引っ越したりしましたので 全く行っていない時期もありました。 今はだいたい月に数回行って今ます。 昨日は122巻目。 15年で122巻。 自分にしては、よく書いたなあと思います。 なぜこんなに書けたのかといいますと•••

          宇都宮に来ました。 というよりも、鬼怒川温泉に行く途中、 お昼ごはんを食べるために寄りました。 せっかくなので「宇都宮餃子」を食べようと、 ネットで調べ、人気店に向かいましたが••• すごい行列で諦めました。 代わりに、近くにある餃子屋さんの中で、 比較的人が並んでないお店に行きました。 それでも1時間半待ちです。 炎天下(めちゃくちゃ暑かったです) 空腹の中、長時間並び、やっとの思いで、 宇都宮餃子にありつくことができました。 その餃子を食べて••• 美味し

          ありたい姿を願う(四行日記)

          ある時、若い男がお釈迦さまを罵りました。 お釈迦さまは何も言わずに落ち着いた様子で、 男の言葉をただただ聞いていました。 そして、お釈迦さまはその男に聞きました。 お前が贈り物を持って誰かを訪ねたとして、 相手が贈り物を、受け取らなかったら••• その贈り物をどうする? その男は、 持って帰るしかないです と答えました。 お釈迦さまは、 お前は私を罵ったがら私は受け取らなかった だから、お前は自分の言葉を持ち帰って、 自分自身に浴びせるしかない そう教え

          ありたい姿を願う(四行日記)

          一日暮らし

          昔、自分で会社をやっていた頃のお話。 イベントの企画•運営のお仕事もしました。 その中で、 医療系の講演会を企画し、そこに講師として 医師であり作家でもあったある著名な先生に 講師を依頼することになりました。 まずは、依頼状を作成し、講演会の趣旨や お願いしたい講演テーマをお伝えしました。 それから電話をして、 自分「⚫︎月⚫︎日のご予定はいかがですか?」 先生「特に何も入っていません」 自分「では、講演をお願いできませんか?」 先生「わかりました」 そん

          流汗悟道

          夏といえば••• いろいろあると思いますが••• 今の気分は「汗」です。 この季節、よく汗をかきます。 特別に汗かきだとは思いませんが、 やはり夏にはよく汗をかきます。 まだクールビズなんていう言葉が流行る前、 夏でもスーツにネクタイが当たり前でした。 あの頃、とにかく汗をかきたくなくて、 「どうすれば汗をかかないだろう」 って真剣に考えてたような気がします。 お坊さんになって、夏の作務なんて 汗をかくためにするのかっていうくらい 大量の汗をかきます。 初

          世界に一つだけの花

          あるお坊さんから聴いたお話です。 No.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one 花屋の店先に並んだ いろんな花を見ていた ひとそれぞれ好みはあるけど どれもみんなきれいだね この中で誰が一番だなんて 争うこともしないで バケツの中誇らしげに しゃんと胸を張っている それなのに僕ら人間は どうしてこうも比べたがる? 一人一人違うのにその中で 一番になりたがる? そうさ 僕らは 世界に一つだけの花 一人一人違う種を持つ その花を咲かせることだけに 一生懸命に

          世界に一つだけの花

          直しながら進む(四行日記)

          お坊さんとは? 老師との長い長い問答の末に「よし」と 言ってもらえた答えでは、ありませんが、 自分のお気に入りは••• お釈迦さまの真似をする人 です。 もちろん、お釈迦さまにお会いしたことは ありませんが、やはり基準はお釈迦さまです。 たぶん、 お釈迦さまならこうするだろう お釈迦さまならこう言うだろう お釈迦さまなら••• を基準にして、お釈迦さまを真似る。 これが自分の考えるお坊さんです。 とはいえ、言うのは簡単ですが••• やるとなると、かなりの

          直しながら進む(四行日記)

          なるべくしてなる(四行日記)

          宗教には、ミラクルなお話が付き物です。 人が空を飛んだり 何か別のものに変身したり 死んだ人が生き返ったり ••• 難解な教えを伝えるための比喩であったり、 道徳心を養うための創作なんだと思います。 仏教にもミラクルなお話がありますが••• お釈迦さまは因•縁•果を説かれました。 何らかの原因(因)があって 条件(縁)が合致すれば 相応の結果(果)が生まれる この世は全て因•縁•果の法則に従って 成り立っていると説かれています。 そう言われるとシンプルな世界

          なるべくしてなる(四行日記)

          常ニコニコ菩薩

          お坊さんになって何が変わりましたか? よく聞かれる質問です。 いろいろな場面で、「自分も変わったなあ」 と思うことはよくあります。 ただ、改まって「何が変わりましたか?」 と聞かれるとなかなか難しいです。 一つ挙げるとすれば、 あまり怒らなくなりました 正確には、ムッとはするんです。 ただ、そこから怒りに発展していかない、 そんな感覚です。 お坊さんでない方のお仕事をしていて、 ムッとしてしまうことが多々あります。 大したことでもないのに、ムッとします。

          常ニコニコ菩薩

          気がつけばお寺の住職・EX

          今週は二回、老師と一緒に食事をしました。 老師と一緒に食事をするのは、 お寺に居れば、当たり前のことで、 別段、珍しいことでもないんですが、 今週は、東京で、二人きり、しかも••• 一回目は、もんじゃ焼き、二回目は、飲茶 •••非日常を満喫しました。 こうして、お寺の外で食事をしていると、 普段は聞かないようことを、聞いてみたり、 普段は話さないようなことを、話してみたり。 今回も以前から気になっていましたが、 何となく聞き難かったことを聞いてみました。 202

          気がつけばお寺の住職・EX

          野外坐禅

          昨日から伊豆に来ています。 昨日は、日中よく晴れて、 気温も高かったんですが、 風が吹いて気持ちの良い一日でした。 こういう日は、やっぱり野外坐禅かな••• と思って、作務の合間に外で坐禅をしました。 太陽の暖かさ。 風の心地よさ。 森の香り。 鳥のさえずり。 ふと、詩が思い浮かびました。 自分にとって大好きな詩で、 折に触れて、読み返す、そんな詩です。 (恥ずかしながら•••お経以上に好きです!) 雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫

          気がつけばお寺の住職⑩

          久しぶりに高野山に来ました。 子供の頃から何度も来た場所ですが、 大人になってからも、仕事の関係で、 より頻繁に来るようになりました。 知り合いになったお坊さんもたくさんいます。 自分がお坊さんになったと知った人からは、 「高野山で?」とよく聞かれました。 それくらい馴染み深い場所です。 でも、自分は高野山ではなく、 伊豆の老師のもとでお坊さんになりました。 年表です。 2004年 あるお坊さんの話を聴く 2007年 伊豆の老師のお寺で坐禅と出逢う 2010年 

          気がつけばお寺の住職⑩