指宿にて
久しぶりの指宿です。
コロナが流行する前の3年間、
仕事の関係で指宿に住んでいました。
指宿といえば•••
温泉、とくに海岸にある砂蒸し風呂。
それ以外にも、
オクラ、スナップえんどう、そら豆
本枯れ節(かつお節、発祥の地です)
流しそうめん(実はこれも発祥の地です)
その他いろいろ。
そんな指宿でのお仕事は、
発電からはじまり、ホテル、きのこ栽培•••
最後は、がん専門病院まで拡がりました。
空いている敷地を利用して、
さつまいもやとうもろこしの栽培、
アワビの養殖なんかもしました。
なにもかも全くの未経験で、
経営的には厳しいものばかりでしたが。
それでも貴重な経験でした。
何より、全てが楽しいものでした。
当時、ホテルの一室に住んで、
同じ敷地内(といってもかなり広いです)にある
各事業所を自転車で走り回っていました。
なんとも懐かしい想い出です。
そんなホテルに2泊しました。
久しぶりにホテルの部屋に入って、
部屋の窓から見た景色に驚きました。
ビックリするくらいキレイなんです。
眼下に指宿市街
その先に錦江湾
さらにその先に大隅半島。
こんなにキレイな景色だったの?
と驚くくらいの絶景でした。
おそらく、自分が住んでいた当時と
景色はほとんど変わってないでしょう。
その時も見事な景色だったはずです。
ただ、自分に余裕がなく、気づけなくて
しかも、そこに住むことで、その景色が
当たり前になってしまったんだと思います。
この日、やっと気づけたそんな絶景に
しばらくの間、見惚れてしまいました。
春は花
夏、ホトトギス
秋は月
冬、雪冴えて
すすしかりけり
道元禅師の歌だそうです。
すすしかりけり(鮮しかりけり)は
新鮮な感動を表す言葉です。
春に咲く花、夏に聞くホトトギスの声
秋に眺める月、冬に出会う雪景色。
いずれもそれぞれの季節においては
当たり前の情景です。
この当たり前な情景にも
新鮮な感動を持つことの大切さ。
そんなことを教えてくれる歌だと思います。
人間は慣れます。
良くも悪くも、慣れます。
慣れることで得るものもたくさんあります。
逆に、失うものもきっとあるんだと思います。
その一つが•••
新鮮な感動
なのかもしれません。
景色に限らず、人や物との出会い、
そこに新鮮な感動を持ち続ける。
そうすれば人生は豊かなものになるはずです。
もっと言えば、
どんなにお金があっても感動のない人生は
貧しく、味気ないものだと思いますし、
そんなにお金がなくても感動のある人生は
豊かで、満足度の高いものだと思います。
だとすれば、新鮮な感動を持ち続ける人生は、
幸せな人生なんじゃないでしょうか。
新鮮な感動を持ち続けるために、
これが最後かもしれない
そう思ってみるのがいいかもしれません。
たとえウソでも、
これが最後かもしれない
そう思うことで、日常的な出会いにも、
少し感動的になれるような気がします。
これが最後かもしれないホテルからの絶景
のおかげで少し人生が豊かになったような
そんな気がしました。
宗慧
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