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「収益力」を分解して考える
今回は、先月書いた値上げの話と近いですが、会社を経営する上で重要な「収益力」について、特に営業職の方に意識してもらうために、当たり前のことかもしれませんが、改めて分解して考えてみたいと思います。
値上げに関する記事↓
「収益力」についての私なりの定義
会社として事業を成立させ、継続させるためには「利益が継続的に出せること」が必須であることは疑いの余地はないと思います。
(一部経営者の思い入れや社会貢献の観点から利益度外視の事業というものもあるかもしれませんが、、、)
この「利益が継続的に出せること」=「収益力」と定義したいと思います。
そうした時に、単純化して考えると
収益力=売上-コスト=自社の付加価値
といえるのではないでしょうか。
私はメーカーに勤務しており、モノづくりのサプライチェーンを念頭に置いていますが、どんな業種でも大きくは変わらないと考えます。
では、ここで定義した収益力について、高めていくためにはどうすればよいでしょうか。分解して考えてみましょう。
「売上」を分解する
利益を出すためにはまず「売上」を増やす必要があります。では、売上を分解するとどうなるでしょうか。
例えば、
売上=「製品・サービスの単価」×「販売数」
=(「原価」+「付加価値」)×(「マクロ需要」×「自社シェア」)
としてみると、それぞれの項目に対して出来ることは
「原価」
製造関連費用・サービスにかかる費用を低減する(これは次の項目で分解します)
「付加価値」
自社の製品・サービスの持つ価値が何かを正確に理解し、その中で顧客のニーズを満たす製品・サービスを提供し、価値を認めてもらうことが重要です。
「安く売ること」を自社の価値と考えていると、販売数の増加につながるかもしれませんが、一度下げてしまった価格は上げるのが難しく、長い目で見たときにダメージが大きくなると考えます。(この辺りは値上げのときの話と同じですね)
「マクロ需要」
広く競合となる製品・サービスと比較したメリット・デメリットを理解し、新たな需要の種を見つけることが有効です。
今まで他の製品・サービスが担っていた役割を置き換える、例えばカメラからスマートフォンとか、コンクリートから鉄(私の現職でやってます)といった感じでしょうか。
「シェア」
こちらは同じ製品・サービスを扱う競合他社との差別化要素、メリット・デメリットを理解し、新規顧客または競合の顧客にアプローチすることなどが出来ることかと思います。
「コスト」を分解する
次に、売上がどれだけ増えても、コストが多くかかっていれば残るものがなくなってしまうので、コストを低減する必要があります。
では、コストを分解すると、例えば製造業では
「コスト」=「売上原価」+「販売費・一般管理費」
=(「材料費」+「労務費」+「経費」)+(「販売費」+「一般管理費」)
とすると、(もっと細かくもできますが)
「材料費」
需要を見極めて在庫を極力持たない様にすることや、複数調達先を確保し競争原理を働かせることなどが出来るのではないでしょうか。
「労務費」
作業の効率化・機械化などによって製造に必要な要員数を最適化(合理化)することが求められます。このことは以前記事で書いているのでこちらもご参照ください。↓
「販売費」
ここは営業職の方が特に意識するところですが、営業にかかる人件費・経費がここに含まれるため、自分自身の営業活動が会社の収益に関わるという意識をもつことが重要です。
必要以上であったり、目的が明確でない訪問や接待などは一度意義を考えてみるのが良いのではないでしょうか。
また、見逃しがちなコストとして物流や在庫費用があります。昨今燃料費の上昇やドライバー不足などの理由で物流費が上昇傾向にあるのは実感のある方も多いと思います。また、商社・流通業の場合、メーカーから引き取ってから顧客が引き取ってくれるまでの間金利負担が発生するため、引き取りが遅れることで費用がかさむ、なんてこともあるかと思います。
これらの費用を抑えるために、顧客との納期やデリバリーに関する調整を綿密に行い、纏められるものは纏める、余裕があれば前倒しで納入する、納期に合わせて製造を調整するなど営業職でも出来るコスト抑制策があるので、漫然と行ったり他人任せにせず考えてみるとよいと思います。
まずは考えること
ここまで例示した内容はあくまで一例(しかも私の経験によるところが大半)なので、まずは自分の取り扱う製品やサービス、市場、環境を把握し、分解してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
参考になれば幸いです。
それではまた。
かつけー/勝田慶