「問いかけの作法」から組織運営を考える
今回は、組織コンサルティングと研究をメインとする株式会社MIMIGURIのCo-CEO安齋勇樹さんの著書である、「問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術」をもとに、特に管理者・経営者が考えるべき組織運営について書いていきます。
本書の内容(ざっくりと)
チームメンバーがポテンシャルを発揮し、成果を生み出すために「問いかけ」の質を高めることが重要であり、具体的に「見立てる」「組み立てる」「投げかける」の3つのサイクルと4つの基本定石によって良い問いかけを増やす方法について書かれています。
詳細はぜひ本書を読んでいただければと思いますが、ポイントはこんなところです。
本書を通じて、仕事だけでなく家族内での問いかけについても振り返るきっかけになりました。
実体験を通じた組織課題のあるある(?)
本書の前提のところで、「チームの問題がなぜ起きるのか」についても語られています。
安齋さんは、問題の要因は、従前の日本企業に多い「ファクトリー型」から、「ワークショップ型」に移行する過渡期の現代において、ファクトリー型に適応した会社が陥る「4つの現代病」がワークショップ型への移行を阻害していると述べています。
この内容から、よく関わっている(意味もなくぼやかしますが)会社においてモヤっていたことが頭に浮かんできました。
(皆さんのお勤めの会社でもこういうことある!と思っていただけると信じて、、、)
まさにファクトリー型の会社で、そもそも本書で語られているような「ミーティング」の機会がほぼない状況でした。
その代わりにあるのは「報告会」「説明会」で、この場から何か生み出されるものではない場です。
参加者のモチベーションも「この説明がつつがなく終わってほしい」「説明に対して何も意見が出てくれるな」という気持ちでしょう。
特にコロナ禍でオンラインミーティングが主流になってからその傾向が顕著になったと感じます。(処理能力の関係でカメラOff前提なことも一因と推察)
その結果なのか、組織への貢献感や帰属意識が薄れ、社員のモチベーションも下がり、離職率が増えているように感じます。
※こう書くとテレワーク・オンライン会議否定派のようですが、個人的には工夫次第で改善できる部分も多いと思いますし、柔軟に働けることは組織への愛着にもつながるので基盤を整備するのが良いと考えています。
このようなモヤりを感じている方は少なくないのではと思います。組織風土や意思決定体制など個人の力では変革が難しいようにも感じますが、少しでも好転させるためにできることはあると、本書の内容をヒントに考えました。
(経営者・経営層・組織トップの方は、自社・自組織がこのような状態に陥っていないか、今一度フラットな目で点検してみるとよいでしょう。)
組織の一員として出来ることは何か
人によって立場や環境が異なるとは思いますが、例えば中間管理職として組織を運営する立場の人や、会議をファシリテートすることができる人は、「三角形モデル」の”見たい光景”=メンバーがどのような状態になっていることが望ましいか、自社・自組織の存在意義や目的・目標を明確にすることがスタートではないかと思います。(その逆が、目の前の仕事ありきで、この仕事をどうするかという考えで対応していくことでしょうか)
まずは自分の中で明文化し、それをチームに共有することで、まずは自分の半径5mのところから意識を変えていくことが大事ではないでしょうか。
そして、チームメンバーが最大のパフォーマンスを発揮して、チームで成果を出す好循環を創るために、まずは(報告・発表ではなく)「問いかけ」がある会議をつくるところから始める必要がある組織も多いと思います。
ぜひ自分の身の回りのチームからでもやっていけるといいですね。
(私も育休復帰後はチャレンジしたいと思います!)
それではまた。
かつけー/勝田慶