【PoWコイン解説】Beam(BEAM)について
こんにちは!FUELHASHのインターン生です。今回は、現状一番人気とも言えるイーサリアム(ETH)以外のPoWコイン、Beam(BEAM)について解説したいと思います!
そもそもPoWコインとは
まず、PoWコインとは、PoW(Proof of Work)と呼ばれる仕組みによって支えられている仮想通貨です。
PoWは、膨大な計算作業を通じてブロックチェーンに取引記録を連続的に記録していきます。そのため、改ざんを起こすにはその時点以降の計算を全て負担しないといけませんが、現実的ではありません。
そのため、セキュリティの強度が非常に高いです。
また、マイニングと呼ばれる、計算を手伝った人に報酬が渡る仕組みも特徴の一つです。
下の記事でも、解説しているのでこちらもチェックしてみてください!
◎Beam(BEAM)について
概要
BeamはイスラエルのBeam社により開発され、2019年より提供が開始された匿名性を重視した匿名性仮想通貨です。
なお、名前の似たものにBeamXがありますが、こちらはBeamの提供するDeFiプラットフォームです。これは、今話題のDAOでありBEAMXという別のガバナンストークンを採用しています。詳しくはまた別の機会にお話ししたいと思います!
特徴① mimblewimbleの採用
まず、大きな特徴の一つとしてmimblewimbleという技術を世界で初めて採用した匿名性仮想通貨であることが挙げられます。
世界初の仮想通貨であるBitcoinは、全ての送受信者のデータと取引量が閲覧できてしまうことと、大量の取引(トランザクション)が起こった際に処理遅延やそれに伴う手数料増加が問題視されていました。
そこで、Bitcoinの匿名性とスケーラビリティ(拡張性)の問題を解決するとして、2016年に匿名の技術者によってmimblewimbleというプロトコルが発表されました。
mimblewimbleでは、短時間のみ有効な取引コードを用いることで、ウォレット間の送受金を行います。個人が固定されたアドレスを使うことがないため、利用者の特定が非常に難しく、匿名性が高められています。
またmimblewimbleには、取引に関して重複するデータをカットする、カットスルーメカニズムが備わっているため、取引毎のデータ量が非常に小さいです。
例えば、同じ秘匿化を行うZcashとMoneroはそれぞれ5.27KBと14.7KBが取引毎にかかります。一方で、Beamはわずか0.22KBとなっています!
トランザクションサイズが小さいため、1秒間に17取引が実行可能な他、一つのブロックにより多くの取引情報が含まれるため、ブロックチェーン全体の増加速度が遅くなることから、決済の高速化とスケーラビリティの改善が可能となります。
ところで、このmimblewimbleはハリーポッターに出てくる口封じの呪文の名前にちなんでいるそうです!遊び心があっていいですよね。
特徴② 取引タイプ
Beamは基本的にプライバシーの保護された取引ですが、利用者は3種類ある取引タイプの中から目的に合わせて選べます。
① オンライン取引
Beamの中で最も一般的な取引であり、手数料の低い取引です。取引の際は、送金側と受取側のウォレットの両方が12時間以内にオンラインにいることが必要です。
② オフライン取引
オンライン取引より手数料がかかりますが、より利便性のある取引です。受取人から事前にもらったアドレスを用いて送金が可能になります。
③ 最大プライバシー取引
特別なオンライン取引であり、利用者のプライバシーを最大限に保護した取引になります。
取引にかける時間(ロックタイム)を上限72時間として好きな時間に設定できます。より長い時間をかけた方が、プライバシー情報の機密性も高まります。
特徴③ アドレスタイプ
取引と同様にアドレスにも3種類存在しています。
① 通常アドレス
オンライン・オフライン取引の両方で用いられます。まず、受取側が通常アドレスを発行し、それを送金側に共有します。その後、送金側がオンラインかオフラインを選択し、取引が行われます。
② 最大匿名性セット
最大プライバシー取引でのみ用いられます。受取側が発行したこのアドレスを送金側と共有することで、最大プライバシー取引に変更されます。
③ パブリックオフラインアドレス
利用者のBeam walletに紐づけられた有効期限のない固有のアドレスです。一般の送受金で用いられているタイプと同じです。
期限がないため使い勝手は良いですが、セキュリティーレベルは一段下がります。
また、もしBEAMのマイニングについて興味のある方がいたら、次の記事を参考にしてみてください!
◎ Beamの今後と現状について
チャートで見る
では、そんなBeamは現状どうなっているのでしょうか。BEAMの価格をチャートで見てみましょう。
下のチャートは直近1年のBeam(対日本円)のものです。
まず、2021年8月と10月の価格の急上昇が見て取れます。これらは両方ともに仮想通貨市場全体としての影響でしょう。
特に10月は、9月の中国の仮想通貨規制の発表や恒大のデフォルト危機で市場が冷え込んだ後に、FRB長官のパウエル氏が仮想通貨を容認するような発言をしたことで、価格が回復しました。
また直近では、2022年5月にステーブルコインの大幅下落に伴う仮想通貨市場の不安や混乱から大きく価格を下げました。その後は、落ち着きを取り戻していますが、回復の兆しは特に見えていません。
ここまで、Beamは仮想通貨市場全体の値動きに大きく影響されていると述べてきましたが、実際に世界最大級の仮想通貨であるBitcoinの直近1年のチャート(対日本円)を見てみましょう。
見てみると、変動幅に多少の違いがあるものの、価格変動のタイミングがほとんど同じであることが分かります。
よって、直近1年間はBeam自身としての影響よりも、市場の影響をより大きく受けていると結論づけていいかと思います。
採掘難易度で見る
採掘難易度は概ね横ばいです。2022年5月の市場ショックによる下落に対しても、直近1ヶ月は採掘難易度が上昇し、回復傾向を見せています。
そのため、ある程度の人数のマイナーたちが、Beamの理念に共感、あるいは価格上昇に期待してマイニングを続けていることが分かります。
こちらの記事で、採掘難易度についての解説及び他のコインの採掘難易度と比較しているのでチェックしてみてください。
最近のニュース
2022年4月、EUの欧州議会はマネーロンダリング対策やテロ組織への資金供与防止策として、匿名の暗号資産取引を禁止し、暗号資産を扱う企業が取引の送受信の追跡を可能とするように義務付ける法案を可決しました。
そのため、暗号資産業界はこうした決定を批判していますが、匿名性仮想通貨はそのモデルを転換する必要が出てくるかもしれず、透明性を重視する欧州を中心に逆風が吹いています。
今後の予想
以上の点を踏まえると現時点では、Beamの将来的な価格上昇の確率はそこまで高くないと考えます。
理由としては、主に二つです。
まず一つは、アルトコインとしてBeamに対する市場の影響力が強すぎるため、Beamが独自のアップデートなどを行なっても、市場に正しく評価されない可能性が高いことです。
もう一つは、大きな特色の一つである匿名性仮想通貨としての認知度が高くないことです。
匿名性仮想通貨はBeamの他にも、Dash(DASH)、Monero(XMR)、Zcash(ZEC)などがあります。これらのコインは、すべての機能面でBeamに優れているわけではありませんが、公開された年月が早いため、より認知度を得ています。
実際に、世界中の仮想通貨について情報をまとめたcoinmarketcap.comでは、Beamが時価総額ランキング642位(2022年6月28日現在)なのに対して、上記3コインはいずれも順位が100位以内であり、知名度の差は歴然です。
まとめ
今回は、Beamの特徴、仮想通貨チャート、そして今後の予想を解説しました!
少しでもためになれば幸いです!
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