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〜コリン性蕁麻疹の体験記&完治した方法〜

「死ぬほど痒いし痛いし、俺の人生このまま終わっちまうのか、、」


みなさん初めまして。山岡と申します。
私は大学2年生の2020年2月からコリン性蕁麻疹を発症しました。

私はその日を忘れもしません。当時は私は筋力トレをしており、自宅で筋トレしていた日のことでした。

「あれ?なんか痒い、、?」

初めはそんな些細な違和感でした。
そして、その頃自分は
「皮膚が乾燥しているのかな?」
といったその程度のことにしか思っていませんでした。
とりあえず、家では保湿ローションを塗ってやり過ごそうと考えていました。

しかし、毎回の筋トレで痒みが私を襲いました。
なんと、保湿ローションが効かなかったのです。
「乾燥でなければ、一体この尋常でない痒みは何なのか。」
私は、自分が何かの大病を患ってしまったのではないかと心配になり、病院へと駆けつけました。

そこで医師から告げられたのは、
「コリン性蕁麻疹ですね。」

私「???」

私は言葉を失いました。
何だその聞いたことのない病気は、、

医師「とりあえず痒み止めと保湿剤を出しときますね。」

私は一時の安楽に包まれました。

「やっとこの地獄のような苦しみから解放される。」

そして、自宅へと戻り、るんるんと胸を躍らせる私を絶望させるのに5日とかかっていないように思います。

薬も保湿剤も何一つ効果がなかったのです。

嘘だろ、、

自分はなす術がが無くなったと感じた。絶望が私の心を覆いました。
しかし、私はわずかな希望にかけた。当時ネットでコリン性蕁麻疹を検索すると、約1ヶ月程度で蕁麻疹が出なくなると書かれていたのです。

まだだ、まだ諦めるには早すぎる、、もう少し、あと1ヶ月耐えてみよう、
そしたら、治ってるかもしれない、、

そんな淡い希望は打ち砕かれることとなりました。
約1ヶ月後、

治らなかった。

何一つ治っていませんでした。痒みはあるし、蕁麻疹のようなものもでる。
誰かと話したり、学校内に入るだけで全身が痒みに襲われる。
訳がわからなかった。
そして、当時のネットの情報にはこう書いてあったのをその時思い出した。
「約1ヶ月を過ぎて継続している蕁麻疹は慢性蕁麻疹であり、すぐに治ることはほとんどない。」

私はうつ手が無くなった。

辛い、怖い、嫌だ

こんなネガティブな感情が溢れ出した。
そんな時、ふと自分がコリン性蕁麻疹以外の疾患ではないか?と私は考えました。

それは自分が医療系の大学に通っているからこそ生まれた疑問なのかもしれない。

私はコリン性蕁麻疹が合併する可能性のある疾患をネットの中で調べ尽くした。
そして見つけたのです。

特発性後天性全身性無汗症

特発性後天性全身性無汗症
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4391

難病情報センター



「特発性後天性全身性無汗症」とは

運動をした時とか暑くて湿度の高い環境にいても汗をかくことができない病気を無汗症といいます。無汗症には、生まれつき遺伝する 先天性無汗症のほか、大人になって後天性(生まれつきではない)に発症する後天性無汗症があります。特発性後天性全身性無干症は、後天的に明らかな原因がなく汗をかくことができなくなり血圧が低くなるなどの他の自律神経異常および神経学的異常を伴わない疾患と定義されています。患者さんは体温調節に重要な汗をかくことが少なくなるので、運動や暑いところで簡単に体温が上昇して熱中症などになりやすくなります。



この疾患は10~30代の男性かつスポーツ経験者に多い疾患である。
(もちろん女性がなることもある)

私は、まずこの疾患にしやすいとされる、10~30代の男性かつスポーツ経験者という条件を満たしていました。

しかし、1点気になった部分がありました。

それは、この疾患のポイントはあくまでスポーツ経験者がなりやすく、現役でスポーツに取り組んでいる人はなりにくい、という点です。

イメージで言うと、何年か運動をしていたが、急に運動をしなくなったタイミングで発症するといった感じ。

確かに、私は元々大学で体育会空手道部に所属しており、日々運動を続けていましたが、新型コロナウイルスの影響によって部活動が停止してしまいました。
しかし、私は自宅での筋力トレなどの練習を続けており、汗をかく習慣は必ずあったし、汗もかいていました。
筋トレから離れたのは、痒みが出て約1ヶ月ちょっとといったところなのに、、

「まさかこの病気じゃないよな?」

私は、地域の中核病院に自らこの疾患ではないかと相談しに向かいました。
特発性後天性全身性無汗症は、大学病院などの大きな病院でないと診断することができないので、紹介状を書いてもらい、県内の大学病院を受診することになりました。


大学病院の受診

まず、私は特発性後天性全身性無汗症の診断のために、体の部位ごとにヨード液を塗り、ヨードデンプン反応を観察する温熱発汗試験を行いました。
私はパンツ1枚になり、温室の中に医師2人と一緒に入りました。
かなり恥ずかしい時間でした、、

そして、イソジンのような液体を体の部分部分に塗られ、室内の温度を一気に上昇させられました。

その結果、私は全身の95%以上の皮膚から発汗が認められないことがわかったのです。
また、皮膚生検の結果も踏まえて、私は特発性後天性全身性無汗症と診断されました。

診断が下るとホッとした自分がどこかにいました。原因不明の症状からやっと抜け出せる、そんな一筋の光が見えた気がしたからかもしれません。

そして、私は「ステロイドパルス療法をしてもらえないですか、?」

そう主治医に尋ねました。

医師は少し目を丸くして私の言い分を受け入れてくれました。

主治医「では3日程度の入院が必要になりますが、やってみましょう。」

なぜお前はステロイドパルス療法を知っているんだ?
と思った読者のみなさま。

私は大学病院受診前にAIGA治療についてありとあらゆる論文を調べており、発症早期にステロイドパルス療法を実施し、症状が寛解したという報告を見つけていたからです。(以下の文献を参考にしてほしい)

特発性後天性全身性無汗症(AIGA)のステロイドパルス療法の有効性に関する調査(厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 分担研究報告書)

https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2018/182051/201811008A_upload/201811008A0004.pdf


AIGAの治療については、確立されたものがあるとは言えないが、唯一発症早期に”ステロイドパルス療法”をすることが有効であると研究結果で分かっています。

そのため、自らこの治療をしてもらえないか申し出ました。

そして、入院生活に話は進みます。

この病で苦しんでいる人なら気になるであろう質問に答えたいと思います。

質問:入院自体は辛かったのか??

回答:正直そこまで辛くない。点滴を長時間付けているため、手の動きに制限はあるが、特に痛みが持続するわけでもないので気にならない。入院自体も3日程度なので、私は当時大学の講義の資料を持って行き勉強をしていた。(どんだけ真面目やねんw)

しかし、副作用は少しやっかいだった。

大量のステロイドを点滴で注入されるため、不眠の症状が出てしまい、入院1日目は一睡もできなかった。しかし、看護師さんに眠れない症状を伝えると、主治医から睡眠薬を処方してもらい、入院2日目からは問題なく眠ることができた。

質問:入院費用は高かったのか?

回答:高かった。その主な理由としては、ステロイドパルス療法が保険診療ではないからだ。しかし、高額療養費制度と難病法にもとづく医療費助成制度を利用すれば3回の入院で15万程度になった。
(どうしても個室が良く、個室料金が高かった、、)

質問:ステロイドパルス療法の効果はあったか?

回答:めちゃくちゃあった。正確には2回目のステロイドパルス療法終了後からかなり症状は軽快し、外出もなんとかできる程度には回復した。

3回目の実施後は正直そこまで効果は感じられなかったが、その後3カ月後には日常的に痒みや痛みの症状が出現することがほとんどなくなった。

だいたい気になるのはそんなところでしょうか。

私は当時コロナウイルスが流行していたので、PCR検査を受けなければならず、綿棒で鼻の奥をグリグリされるのがめちゃくちゃ嫌だった。
(入院生活で一番嫌でしたw)

コリン性蕁麻疹の症状を軽快させる方法

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