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命の尊さを教えてくれる名作ドラマ!「リラの花咲くけものみち」

2月1日よりNHKで3週にわたって放送されていた土曜ドラマ「リラの花咲くけものみち」。この作品が傑作だったので、その感想を記していきます。

友と出会い、動物の命の大切さを知っていくストーリー

まずは、ネタバレにならない程度に、ざっとストーリーをおさらいしておきましょう。

山田杏奈さん演じる主人公の聡里は、父の再婚相手とうまくいかず、大切にしていた飼い犬が捨てられないように守るため、引きこもりになります。祖母のチドリ(風吹ジュンさん)に引き取られ、だんだんと回復していく聡里。彼女は獣医になるために、北海道の大学で学ぶことになりました。

大学では、無類の鳥好きで研究者を目指す残雪(萩原利久さん)や、入寮時には聡里のことを拒絶する姿勢を見せた綾華(當真あみさん)らと出会います。彼らと徐々に打ち解けていき、動物たちの命の大切さを学びながら、将来への道が拓けていくというストーリーです。

特に第1話が一番感動しました。終盤で動物の命について、重大な決断を迫られる場面です。新たな生命の誕生と、聡里自身が生まれ変わろうとしている姿が重なり、最後に心の底から叫ぶシーンには、胸が熱くなりました。3回見返して、3回とも泣いちゃいましたね。

脇を固める俳優陣が豪華!キャラ設定も巧み

本作の魅力の一つに、脇を固める俳優陣の豪華なラインナップが挙げられます。大学の先輩で女子寮の寮長でもある夏菜役を務めるのが、石橋静河さん。面倒見が良い一方で、彼女自身も苦しい過去を抱えているという難しい役を見事に演じていました。

去年放送されたNHKドラマ10「燕は戻ってこない」で主演だった石橋さん。そのときは悲劇のヒロインという役どころで、将来を案じるような終わり方だったのですが、本作で燕が戻ってきたと描かれる場面があり、物語も境遇も全然違いますが、どことなく救われた気分になりました。

また、相変わらずうまいなと思うのが、當真あみさん。序盤に聡里と綾華が対峙する場面は緊張感があり、引き込まれました。まだ18歳ということで、将来の活躍が楽しみですね。なんとなく今回の役の顔つきが、桜井ユキさんと似ていたので、親子役で出るのもおもしろいかもしれません。

萩原利久さんが演じる残雪くんは、キャラ設定が良かったですね。ちょっぴり天然系のキャラで、ときどきクスリと笑えるし、重たくなりそうな世界観のなかでいい役割を果たしていました。

動物たちの映像美や、スケール感のある音楽にも感動

ところどころで挟まれる野生動物たちが生きる姿も魅力。動物たちがたわむれる姿に癒やされ、生きるエネルギーが感じられます。ドローンで撮影したのであろう上空からの映像や、スケール感のある音楽もよい演出となっていました。

音楽でいうと、にしなさんの「つくし」も作品世界とよく合っていましたね。これまでのNHKドラマは内容いいわりに音楽もっといいのあっただろと残念に思うことが多かったのですが、今回の選曲はとてもいいと感じました。

去年、NHKフロアを使ったTiny Desk Concertの放送がバズりましたが、第1回の藤井風さんのライブでコーラスを担当していたのがにしなさん。その時から感所の存在が気になっていた人もいるのではないでしょうか。

原作も読んでみたい!

本作は藤岡陽子さんによる同名小説が原作となっています。原作は第7回未来屋小説大賞と第45回吉川英治文学新人賞を受賞していて、こちらも読んでみたいです。


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