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映画「Ribbon」レビュー
評点:85点
女優ののんさんが、監督・脚本・主演の三足のわらじをはいた作品、キネマ旬報でのんさんのインタビューを拝見して、ぜひ観たいと思い観賞しました。
素直に、のんさんが今のコロナ禍で問いかけたいこと、映画を通してやりたかったことが伝わるすばらしい作品だと感じました。
まず、のんさんが監督をしながら女優としても演技をするというところの苦労がかいまみえました。のんがどれだけの労力を費やしてこの作品をつくったかが感じられます。
たしかに、映画の描写やシーンの設定などに違和感を覚えるシーンも若干あったのはたしかですが、のんさん自身初めての劇場長編作ということと、自身も役をやりながらという部分を考慮すると、十分満足に達する作品だったのではないかと感じます。
出演キャストの親友役の山下リオさんや妹役の小野花梨さんも、それぞれの役を貫き通しており、上手にのんさんを引き立たせていたため、映画も演技自然にみえました。
あえて日本とか世界とか広い視野ではなく、私の身の回りくらいの世界観に物語の範囲を押さえたことにより、他人事ではなく自分の身近のことだという認識が強くもてたのも、よかった点です。
自分ひとりじゃない、みなさんも同じように苦しんでいる、だけどこの状況にただ単に屈するのではなく、自分のなにかできることをやっていこうとする姿の美しさをあらためて感じさせてくれる作品でした。
のんさん監督・脚本という観点からも、十分に評価できる作品で、のんさんの次回作にも期待がはずむ初劇場長編作になったのではないでしょうか。