野津克哉@演技活動3年目 映画感想・評論・レビュー

演技をはじめて3年目!社会人をしながら、舞台や映像の俳優活動をしております。 主に鑑賞…

野津克哉@演技活動3年目 映画感想・評論・レビュー

演技をはじめて3年目!社会人をしながら、舞台や映像の俳優活動をしております。 主に鑑賞した映画のレビュー・感想を記事にして参ります。 よろしくおねがいします。

最近の記事

映画「ハウ」レビュー

評点:90点大好きな女優さんや、出演キャストのラインナップに興味津々になり、公開初日仕事終わりに観賞してきました。 まずは、犬童一心監督らしくてならではの、心の底からハートフルになる物語に、心の真ん中へ矢をうちぬかれた気持ちになりました。 主演の田中圭さんとハウとの出会いから、ハウと過ごす充実した日々。自分は、犬などのペットを飼った経験はありませんが、それでも田中圭さんになつくハウが、たまらず愛おしく、そしてかわいさで満ちあふれていました。 正直なところ、田中圭さんとハ

    • 映画「スープとイデオロギー」レビュー

      評点:85点 とある方におすすめされ、東中野のミニシアターで観賞してきました。ヤンヨンヒ監督の実母の体験から現在の生活を描いたドキュメンタリー映画。 人には人のドラマがあるといいますが、お母様の壮絶な人生たるや、映画を最後まで観賞して、自分という人間の小ささを感じてしまいました。 朝鮮の歴史のかなりデリケートな部分に触れていますが、私たちがけして忘れてはいけない戦争や争いの悲惨さを痛感させられ、だんだん時代が流れていくことにより風化されがちな近年だからこそ、改めて歴史に

      • 映画「太陽とボレロ」レビュー

        評点:90点予告編をみて、興味をそそられ観てきました。あっという間の2時間30分でした、感動・感動・感動の連続でした。 名俳優の水谷豊さんが監督・脚本を担当されて、ご本人も脇役として登場。監督としてもキャストとしてもご立派でした。 名もない素人楽団が、存続が厳しくなり解散のコンサートを行うことに、そこで起きるさまざまなハプニングを乗り越えて、見事最後の舞台が開かれる物語。 出演キャストの方のほとんどが楽団の団員のため、演技と同時に何かしらの楽器の演奏が求められる役どころ

        • 映画「ハケンアニメ!」レビュー

          評点:100点私の好きな俳優さんが多く出演されることに加えて、内容的にも非常におもしろそうだと感じたため、予告編をみて観賞することを決めました。 アニメという題材から、人が熱くなるものや突き進む道をただひたすら走り続けることのすばらしさを感じさせてくれる映画で、見終わったあと、なんだか胸が熱くなりました。 なんといっても、出演キャストのみなさんが演技うますぎる!吉岡さんと中村倫也さんをはじめ、柄本佑さんや尾野真千子さんが対人にみせる人物像と、内面で思っていることとの違いの

          映画「大河への道」レビュー

          評点:95点私の一番好きな歴史上の人物である伊能忠敬を取りあげた作品ということで、予告編をみた段階から絶対に観たいと思っておりました。 とにかく、伊能忠敬のすばらしさをあらためて感じることができる作品にとても満足であります。映画の舞台、着目点などまさに私好みでした。 中井さんをはじめ、北川さんや松山さんの演技はさすがの一言で、絶妙な表情から息づかい、セリフ回しなど、どれもが吸いこまれていきそうでした。 しかも、今回の映画は現代と江戸時代の2つの時代で構成されており、ほと

          映画「流浪の月」レビュー

          評点:100点公開初日、舞台挨拶のライブビューイング付きの回を観賞してきました。本編、舞台挨拶とほんとに充実した時間を過ごさせていただきました。 李相日監督と「パラサイト 半地下の家族」の撮影も携わられたホン・ギョンビョさんが撮影監督としてタッグを組んだ話題作で、スタッフだけでなく出演キャストの方々も豪華な作品です。 観終わって、とにかく衝撃がすごかったです。デリケートな部分へかなり深く切り込んだ作風は、最近観た映画のなかでも考えさせる何かがありました。 作品のとらえ方

          映画「かそけきサンカヨウ」レビュー

          評点:95点大好きな今泉監督の作品で、今泉監督作品によく出演している志田彩良ちゃんが初主演の映画。劇場公開時、茅ヶ崎の映画にみにいって、非常に心ゆさぶらたため、もう一度みたいと思い、アマゾンプライムビデオでの配信がスタートしたのを期に早速観賞しました。 まさに、ザ・今泉監督ワールド満載の映画で、絶妙なヒューマンドラマに複雑な人間関係や事情を抱えた人々が登場して、物語が進んでいきます。 物語の舞台は、ある街のある場所のほんの限られたところだけですが、そこで起こるさまざまなで

          映画「今はちょっと、ついていないだけ」レビュー

          評点:85点前からどうしてもみたいと思っていて、演技合宿終わりに吉祥寺の映画館にて2作品連続で観賞した2作目として、拝見いたしました。 率直に心へ刺さりまくりの映画で、共感できる登場人物がたくさんいらっしゃり、みなさんうまくいかないこともあり悩んだり落ちこんだりすることもあるけど、自分と向き合って生きていることを感じさせてくれました。 とにかくゆっくりな展開はこの映画の特徴のひとつで、タイトルにもそれが表されています。自分もそうですが、人生行き急いでしまうこともあり、普段

          映画「今はちょっと、ついていないだけ」レビュー

          映画「猫は逃げた」レビュー

          評点:90点3泊4日の演技合宿が終わり、熱量がたかまっているその足で、眠気を我慢しながら吉祥寺の映画館にて観賞。今泉監督の作品が大好きで、先月の「愛なのに」も観賞しております。 男女4人の恋愛をメインにしたお話に猫が入ってきて展開するストーリー。4人の色恋も猫の存在により、変わっていきペットの偉大さを感じられます。 ある意味独特な雰囲気と舞台設定のなかでも、芯のある人間関係の描写はすばらしく、登場人物が抱えるそれぞれの葛藤や感情がにじみでています。 映画の尺としては、登

          映画「ドライブ・マイ・カー」レビュー

          評点:100点アカデミー賞にて国際長編映画賞やカンヌ国際映画祭にて脚本賞など4冠を受賞して、もはや日本だけにとどまらず世界中で注目と人気をあつめる作品。 私も、横浜の映画館で1回観賞の際、あまりの奥深さとおもしろさに、今回珍しくアマゾンでブルーレイボックスを注文して、再度自宅にて観賞しました。 なにがすごいって、人と人との関係性をかなり深くまで描いており、人なら誰しもが持っている後悔や拒絶する部分をあますことなく表現しています。 しかも、有名な俳優さんが西島秀俊さんと岡

          映画「愛なのに」レビュー

          評点:85点私の大好きな今泉監督が脚本担当されているということで、絶対観たいと思い生まれ故郷の立川の映画館にて、ようやく観賞できました。 まず率直に「実に深い!」、まさに「愛なのに」のタイトルとおり愛についてマリアナ海峡くらい奥深い映画でした。今後の自分の生き方を考えさせられる、心ゆさぶられる映画だったのは間違いありません。さすがは、今泉監督脚本! そこに、城定監督らしいピンクな部分をまじえながら、愛について考えさせられるところが映画としての完成度をより高くしていた気がし

          映画「Ribbon」レビュー

          評点:85点女優ののんさんが、監督・脚本・主演の三足のわらじをはいた作品、キネマ旬報でのんさんのインタビューを拝見して、ぜひ観たいと思い観賞しました。 素直に、のんさんが今のコロナ禍で問いかけたいこと、映画を通してやりたかったことが伝わるすばらしい作品だと感じました。 まず、のんさんが監督をしながら女優としても演技をするというところの苦労がかいまみえました。のんがどれだけの労力を費やしてこの作品をつくったかが感じられます。 たしかに、映画の描写やシーンの設定などに違和感

          映画「鳩の撃退法」レビュー

          評点:92点実際に映画館で観賞しておもしろかったため、アマゾンプライムビデオであらためて観賞しました。 まずは、練りに練られた脚本がおもしろく、はじまりからラストまで一気にみてしまいました。 物語が、基本的に富山と高円寺の2ヵ所という舞台設定や、物語の進み方がとてもわかりやすく、それでいて先の読めない展開が続いて、キャラ設定もしっかりしているのが、おもしろさの理由ではないかと感じました。 主人公が小説家ということで、難しい言い回しや気難しい性格をしていそうなイメージがあ

          映画「嘘喰い」レビュー

          評点:70点大好きな俳優さんが出演しているため、公開2日目に上映後の舞台挨拶つきの回を観賞いたしました。 舞台挨拶でのお話を伺い、中田監督や出演俳優さん1人1人の映画に対する思いやどのような気持ちで役を演じられたのかという熱意はすごく伝わってきました。 たしかに、キャラクターの個性は際立っていて、特に主人公の貘と最後対決する佐田国のそれぞれの想いがぶつかり合ってのババ抜きは、手に汗握る展開でした。 ただ、ハラハラドキドキ感がもう少し欲しかったかなという印象を受けました。