テレビがつまらない理由。
テレビはつまらなくなった。
現役のTVディレクターだが、昔ほどテレビはそんなに見ていない。
はっきりと言える。テレビはつまらない。
では作っている僕たちが昔と比べて大きく変わったかというと、本質的にはほとんど変わっていないと思う。昔から今に至って、少しでも視聴者の胸に響くような、面白くて、視聴率の取れるテレビ番組を作ろうと努力している。
ただ昔よりも、自由ではなくなった。テレビだけがお茶の間の視聴娯楽だった時代が終わり全体的な視聴率は下落。それに伴い放送の経営環境も悪化していくと、現場には、視聴率を上げることへの圧力が高まり、「視聴率を取れないこと」をやる余裕がなくなっていった。
作り手はただ自分が面白いと信じる番組を作り、結果、見てくれた人が喜んでくれるときもあれば、そうでないときもある。
今はそうでないときが許されない。また、そうでないときの理由も必要だ。
昨日視聴率の高かったネタは、きっと今日も高いはず。
昨日視聴率の低かったネタは、今日はもうやめよう。
全番組の視聴率データを見ながら、今日、明日の番組内容を考える。
それで視聴率が悪かったとしても、「昨日はどの番組でもこの内容で視聴率を取っていたんですが・・・」と、実に体裁のいい言い訳もできる。
テレビはよくあんなくだらない話を毎日毎日ダラダラやってるよね〜。
そう思うのは正解だが、それが昨日まで視聴率を取ってきたもので、今日も取ると予想されているものであり、視聴率を取るための正解でもあるのだ。
さすがにこんなくだらないネタはダメだと思って短かめに切り上げたら、その瞬間同じネタをやっている他局の毎分視聴率が上昇する現象を目の当たりにすると、このくだらないネタが視聴者に今求められているという現実を実感することができる。
何か新しいことやったらいいじゃない?
なんて気楽に言われても、それが確かに視聴率を取れるというエビデンスがいる。そんなもの、どこにある?
でも、
視聴者に新しい面白さを届けたい。
今までにない斬新な番組を作ってみたい。
そう思ってはいる。きっとみんな。
よし、YOUTUBE見て勉強しよう笑。