昭和の懐かし映画放浪記

昭和の懐かしい映画放浪記
自分は、小さいころ田舎の小さな町で育った。
小学生のころ、こども向け漫画『赤胴鈴之助』に夢中になり、この漫画の映画公開が映画の世界にのめり込みきっかけとなった。
町には小さな映画館、それも三番館と思しきものが三館あった。
よって、東京と同時公開なる作品は、お正月がやってこなければ観られない映画環境である。
話は飛ぶが、やがて中学生になりスポーツ紙に載る映画広告が、さらにその先の洋画の世界に目覚めるきっかけとなった。
スポーツ紙には 戦争もの、アクションものなどの映画の作品広告が紙面一杯に埋まることがあった。そうなると、映画の広告を見ることが楽しみの一つとなり、待ちわびる日々となる。
やがて、それはエスカレートし、洋画専門雑誌の「スクリーン」、「映画の友」の購入のきっかけとなる。小遣いの少ない中学生にとって新刊雑誌は高根の花であり手が出ない、そこで小遣いの範囲で買える古本屋に出向き、価格落ちした古い映画雑誌を毎月の小遣いから買う楽しみとなった。
こうしたことにより、やがて、『大脱走』、『史上最大の作戦』、『007危機一髪』、『ラスベガス万歳』、『勝利者』など、昭和の洋画史に残る娯楽作品を観ることができた。
これらの作品は、日本映画には到底及ばないスケール感があり、その華やかさと贅沢な映画作りに魅了された。
ある時、何気に目をやった映画広告の活字に目を奪われる。そこには東京都内ロードショー公開館名が記されており、東京都内のロードショー館なるものを知った。
都会に住む人たちは、洋画の活劇が、このような大きな映画館の大画面のスクリーンで観られるのかと、羨ましく胸が熱くなったことが思い出される。
こうして、遅まきながら、田舎に住む中学生も東京都内のロードショー館を知ることになった。
主な館名を挙げてみたい。
「日比谷映画」、「有楽座」、「スカラ座」、「みゆき座」、「丸の内東宝」、「ニュー東宝」、「松竹セントラル」、「丸の内ピカデリー」、「東劇」、「テアトル東京」、「浅草大勝館」、「新宿東急」、「新宿ミラノ座」、「新宿ピカデリー」、「丸の内松竹」、「渋谷松竹」、「渋谷パンテオン」、「渋谷東急」、「丸の内東映パラス」 … …
一度も行ったことのない東京のロードショウ館は、スポーツ紙や映画雑誌で知り、そのロードショウ館が次々と浮かんで来る。

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