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アメリカ人は読み聞かせがち説

wikipediaのオーディオブックの頁を読んだ。
アメリカでは以前からオーディオブックが盛んであるという。
彼の地が車社会で、CDやカセットを持ち運びやすかったから早期に普及したそうな。

サマセット・モームの「アシェンデン」に、主人公が迷惑する場面があった。
汽車の向かいに座った気さくなアメリカ人が「私が本を読んであげましょうか?」と勧めてくるのである。

主人公のアシェンデン氏はイギリス人だ。
本は自分で黙読する習慣がある。
読み聞かせなんて余計なお世話としか思えないのだった。

アシェンデン氏の経験によれば、アメリカ人はみんな本を読み聞かせがちらしい。
汽車の中にアメリカ人家族がいると、きっと父親が「さあみんな、お父さんが本を読んであげよう」などといって本を音読しはじめる。
家族はそれを楽しそうに聞いている。
アシェンデン氏からすると異様な光景である。

アシェンデンは第一次世界大戦のころが舞台である。
大昔の話だ。
しかし、その後もアメリカに読み聞かせ文化が生き残って、そのせいでオーディオブックも早期普及したとすれば、おもしろいなと思った。

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