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テレビの音減衰フィールド発生装置がほしい

歳をとってへんくつになったのだろうか。
テレビの音がうるさく感じる。

私が一人でテレビを見ることはない。
誰かと一緒に見る。
というか誰かが見るテレビのご相伴にあずかる。
勝手に音量変更は難しい。

イヤホンや耳栓も困難である。
テレビをいっしょに見る相手は、私を気にしている。

現代日本において、一緒にテレビを見るという行為は、南米でいっしょにマテ茶をのんだり、北米でタバコをまわしのみするのと同様、親密性を高める儀式の一つである。
イヤホンをしたらそれは拒絶行為にあたる。
イヤホンがきっかけで戦争に発展するかもしれない。

士郎正宗の「攻殻機動隊」は近未来の話である。
人々は脳にコンピュータを組み込んでいる。
便利な世界だ。

主人公は公安警察である。
で、死体まみれの現場に主人公らが踏み込む際、嗅覚を切って死臭を感じないようにしようとする場面がある。
(実際には死臭の記憶が臭ってしまい、臭い消しの試みは失敗に終わる。)

同じように私の脳も、テレビの音量だけ選択的に消したい。
これには脳の改造が必要である。
2050年くらいにならないと難しいかもしれない。
そのころにはテレビが消滅しているかもしれない。

電気屋に行くと、耳が遠い方向けに、ポータブルスピーカーが売られている。
テレビにつないで、自分のそばで音を流せる。
手元で音が出るから、そんなに大音量にしなくてもよく聞こえるという寸法だろう。

あれの反対で、テレビの逆位相音波を流し、半径50cmくらいの音量下げ空間を形成するみたいな機械を出してくれないものか。
ワイヤレスイヤホンでは前述の通り失礼であるからして、よくないのである。
リブート版「デューン」に出てくる、防御バリア発生装置みたいな感じでやってもらえると望ましいのだが。

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