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この漫画の珪素生物というのは、生成AIのことだったんだよ!

弐瓶勉のデビュー作は「BLAME!」という。
たぶんSF漫画である。

テクノロジーが進化しまくった。

暴走した建築ロボが勝手に建築しまくる。
そのせいで、地球全体がでけえ建物になってしまう。

珪素生物という悪い奴らがテロ活動をする。
それで人々はネットにアクセスする権限がなくなった。
みんな、なにがなんだかよくわからないまま、超絶でけえ建物のあちこちで蒙昧な脳みそを抱えて、こぢんまりと暮らしている。

主人公はネットにアクセスする権限を探して建物のなかをうろうろしていく。

多分そういう話だった。
背景として描かれる構造物の圧倒的な感じがよい。

作中の珪素生物というのは、もと人間である。
思想上の問題から体をケイ素製に作り変えたのだ。
さらに思想上の問題からテロ活動を行い、人々がネットにアクセスできないようにしてしまった。

誰も全体を把握できない混沌的世界が彼らの理想なのだ。

現実世界のインターネットも、混沌へ向かっている。
生成AIが作り出すノイズがデカすぎる。
まともな知識を得ることは困難になっていく。

生成AIはケイ素のチップ上で今日も頑張っている。
だから、珪素生物といってもいいだろう。

リアル珪素生物たる生成AIが跳梁跋扈する。
我々はなにがなんだかよくわからない。
生成AIがつくりだす混沌としたネット空間で、こぢんまりと暮らしていくしかない。

かくして我々は、BLAME!っぽい世界を生きることになったのだった。

弐瓶勉の二作目はバイオメガという。
パンデミックでほとんどの人間がゾンビ化した世界を描いている。
ゾンビはドローンと呼ばれる。

作中、とてつもない破壊と創造がおこり、地球がヒモ状の世界に作り変えられてしまう。
しかし、新生したはずのヒモ状世界でもしぶとくゾンビは蔓延り続ける。

実際、我々は何らかの形でゾンビになっていくのだろう。
たぶんネット言論的な意味で。

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