手ぬぐいライフハック
手ぬぐいを使っている。
布巾にも雑巾にもタオルにもハンカチにも弁当包みにもなる。
洗ったらすぐ乾くし、しまうとき場所をとらない。
欠点はひとに理解されないということだ。
手ぬぐいは一人暮らしだから利用可能である。
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昔の人は手ぬぐいを頭巾にしたりマフラーにしていたと聞く。
自分は頭や首がひとより大きくできているので、既製品だと長さが足りない。
金田一耕助シリーズで、家紋が入った長い布を用意しておいて、適宜切り出して手ぬぐいにしていた家があった。
本陣殺人事件だったか、獄門島だったか。
この方式なら、自分も赤い手ぬぐいをマフラーにできるので、うらやましく思う。
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手ぬぐい使ってると宣伝していると、「これ、ウチじゃ使わないから」とひとから手ぬぐいをいただくことがある。
頂戴した手ぬぐいは、知らないお寿司屋さんの小粋なのとか、灯油屋さんのなぞのロゴが入ったのとかがある。
手ぬぐいは全面に柄が入っているから、タオルより気分がいい。
どれも趣深く、宝物である。
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私もなにかめでたいことがあったら凝った柄の手ぬぐいを作ろう。
クトゥルフを祀った神殿のごとき、顔を拭いたら絡みついて抜け出せなくなるような、禍々しいのがいい。
知り合いに配るのだ。
しばらくしたら「ねえねえ、加藤さん、これどこでもらったか忘れちゃったんだけど、ちょっと目が回るような柄だし、ウチじゃ使わないからあげる」と言われ、配った手ぬぐいが鮭の遡上よろしく戻ってくる。
自分で作った呪いの手ぬぐいを、自分で使うことになる。
悲しい未来だ。
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