見出し画像

はからずも年中行事をスルーしてしまう

2025年の2月2日は節分らしい。
豆をまいたり、近畿の人は恵方巻を食べたりする。

以前付き合っていた人は年中行事を大切にしていて、正月明けには七草粥のかわりに甘くて黒い謎の粥を食ったりしたものである。
私には盆も正月もない。
そんな生き方はよくない、これからは俺も年中行事とともにあろうと、いっしょに不思議な甘い粥を食いながら反省したのだった。

しかるに今日の私が年中行事を大切にしているかというと、2月2日は節分らしいなどとのんびりしたことを言っていることからも察せられる通り、まったく大切にしていない。
節分には豆をまかないし、バレンタインデーにはチョコをもらわないし、ホワイトデーにも飴をあげない。

節分に豆をまかないから、バレンタインデーにチョコをもらうことができないのではないか。
サンクスギビングデーに七面鳥を焼かないから、クリスマスを楽しく過ごせないのではないか。
なんとしても改善しなければならない。

カレンダーをそこら中に貼ったら、年中行事を意識できるようになるだろうか。
アレクサに毎日、「今日はなんの日?」と聞けばいいだろうか。

しかし、当日になって、
「今日は節分です、豆をまきましょう。
あと近畿の人に降参して恵方巻きを食ってください。
今年の恵方はシリウスがある方向です」
などと言われてもすぐに対応できるものではない。

心の準備が必要である。
すくなくとも一週間ぐらい前からアナウンスしてもらわなければならない。

年中行事を大切にするということは、脳の一部を常に年中行事で占めさせておくことにほかならない。
そのぶん他の作業につかえる脳資源は縮小する。

私の脳は日夜くだらないことを考えるのに忙しい。
願わくば年中行事に脳を取られることは勘弁してほしい。

こんな調子では、年中行事人間になるのも遠い先になりそうである。

**