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ママとルビ

子供の頃の疑問に「ママ」があった。
本を読んでいると、不意にふりがなのごとく、「ママ」と書かれていることがある。
あるいは「原文ママ」という場合もある。
まったくもって謎だった。

大人になってから、あれは原稿にまちがっている表記があった際に、そのまま掲載しますよという意味の記号だと知った。
それまではなんとも不思議な記号であった。

もしかしたら学校で習ったのかも知れない。
自分は不真面目だったから、聞いていなかっただけかもしれない。
みんなどこで「ママ」を知るのだろう。

当時大人に質問したのだろうか。
よく覚えていない。
多分親には聞いただろう。
親もわからなかったに違いない。

先生にも聞けばよかった。
自分は引っ込み思案だったから、遠慮したのかもしれない。

「ルビ」というのもしばらく謎だった。
ルビという言葉が出てくるたびになんだろうと思った。
辞書など引けばわかったかもしれないが、私は横着をして調べなかった。

中学に入ったら、河東碧梧桐かわひがしへきごとうがルビ俳句を試みたということが国語便覧に書いてあった。
教科書で碧梧桐の句を読むと沢山ふりがなが振ってある。
それでふりがなのことをルビと呼ぶことを知った。

今の子供はこういうのを検索して知るのだろうか。
ママはちょっと検索が難しい。
「ママ」だけだと母が出てきてしまうから。

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