総理大臣を国民投票にしろという意見について
先日、自民党の総裁選があった。
自民党が与党であるうちは、事実上の総理大臣選挙である。
そんな重要な選挙なんだから、国民投票にしたほうがいいという意見をちらほら見かけた。
総理大臣を国民投票で選ぶことを首相公選制というそうだ。
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なんで総理大臣を国民投票で選ばないかというと、それは日本の内閣制度に由来するらしい。
三権分立という、三すくみではないのだけれど、ファイナルファンタジー6の三闘神みたいな関係の中で、
「内閣は衆議院解散できたり、国会を招集できたりするよ。
でも国会は内閣の子分ではないから、内閣がムカつくときは国会から内閣不信任を決議して内閣をぶっ壊すことができるし、内閣総理大臣は国会議員が投票で選ぶことができるよ。」
みたいなパワーバランスがあるようだ。
その根拠として、憲法第67条に「内閣総理大臣は国会の議決で決める(あと国会議員から選ばれる)」と書いてある。
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ということは総理大臣を国民投票にするには、憲法を改正する必要があるし、そこだけ変えてしまうとパワーバランスが崩壊して日本のクソゲー化が加速するおそれがあるから、新たな三権分立モデルをつくって、憲法全体を再構築する必要がある。
石原宏高のホームページに、小泉時代以前の憲法改正ホットトピックは首相公選制だったと書いてある。
たぶん世界情勢がキナ臭くなるとともに9条改正がメインに出てきたので、存在が薄れてしまったのだろう。
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憲法改正はハードルが高い。
「首相を国民投票で!」という人は、「首相を私に選ばせて!」という気持ちがあるのだろう。
現行制度のもとでも首相を選べる道を模索しないといけないが、それには党員になればいい。
共産党以外のそれなりに大きい政党は、党首は党員の投票で決められる。
自民党の場合、2年以上党費を収めていないといけないとか、細かい条件があるようだが、とにかく党員であれば投票できるのだから、可能性を感じる。
自民党以外から首相を選びたいという場合は、推し政党の党員になる→その党を与党にするという流れが必要になる。
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党費なんて年間4000円ぐらいなので、それで投票権もらえるなら安いものだ。
自分は借金まみれで年間4000円の党費もケチりたい気分だから、まだ党員になっていないが、借金から開放された暁には国民民主党あたりの党員になろうと思った。
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【参考文献】