花火職人という生き方
先日、
テレビで花火職人の方のドキュメンタリーを観た。
番組内では、特に線香花火にフォーカスが当てられていた。
線香花火の作り方は、
火薬を和紙で包んで、こよりみたいに細くねじれば出来上がりという、非常にシンプルなものだ、
そのシンプルな花火は、
江戸時代に誕生日してから、400年経って時代がデジタル化しても尚、愛され続けている。
その花火職人の方が、
楽しそうに試行錯誤をしながら線香花火と向き合っているなが印象的だった。
400年もの歴史があり、
構造的にもシンプルなものであれば、すでに完成形と考えても不思議はないと思うのだけれど、
その職人は、火薬の原料となる炭から手作りして、炭の原料を変えたり、火薬に金属粉を混ぜることで炎の色を変えたり、様々な“遊び”を試しているようだった。
また、その花火職人は地域で花火作りのワークショップを何年も継続して開催するなど、地域との交流を行ったり、関わりのある大学の准教授と火花の散る様子をスローカメラで見て、研究したり、私が想像する“職人”の姿とは、ちょっと異なる方だと思った。
#職人に対するバイアスが強いだけ
「おもしろきこともなき世を面白くーーー」
という、高杉晋作の言葉ではないが、
その職人はシンプルに見える花火作りを、遊び心を持って、人生の愉しみや喜びに変えているように感じた。
家の玄関先で花火をする、なんて光景がだんだん失われつつある現代で、職人としての様々な葛藤やご苦労がきっとあることだと想像するのは難しくないが、それでも自分の生業を愛して楽しくする姿勢からは、非常に刺激を受けた。
同じ仕事でも、つまらなく感じるのではなく、
実験や遊びを織り交ぜながら楽しくする意識は大事だし、そのためには興味を持ち続けることが大事なんだろな。
ドキュメンタリーは人のキャリアをのぞき見したり、うっすらとでも追体験できるから、いい。