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10点中10点 つけられますか?

〇〇に点数をつけて!
と言われた時に、満点をつけるのは結構難しい。

算数のように絶対的な正解が存在しているものならまだしも、何かしらのアンケートやら芸術やらショップレビューやら、正解がない(または一つではない)場合や、主観に基づいて採点をするとき、満点というのはどうにも付けづらい気がする。

他にもっといいものが出てくるかもしれないし、
何かしらの欠点を見落としているかもしれないし、
そんなに高得点を付けるのは自分だけかもしれない。

そんな風なことが頭をよぎった瞬間に、もはや満点など付けられなくなってしまう。

というのは、実は日本人的な発想らしい。

前職のグローバル企業で働いていた際、
毎日従業員に対し満足度調査が行われていた。

朝、PCを起動した瞬間に「〇〇はどうですか?」という設問とともに1〜5の点数の入力画面が表示される。

設問は全世界共通(現地の言葉に翻訳される)で送られてきており、HRの元には集計結果のデータが届く。

設問の内容により、点数の高い低いにバラツキはあるものの、日本の回答結果は1と5が極端に少なく、ほとんどが2〜4に集中する。

回答の匿名性は完全に担保されており、HRといえど、誰がどのような回答したかを特定することは一切不可能な状況であったにも関わらず、そのようなある種の偏った結果が生まれており、他の国のHRグループから、良い悪いとは別の観点で物議を醸すことがあった。


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先日対応していた、ある企業の社員面談で「今の勤務状態に10点満点で点数をつけて」という主旨の設問があった。

かなりの人数の面談をさせて頂いたが、2名だけ10点と答えてくださった。
他の方も決して点数が低いわけではないのだけれど、満点はその2名だけだった。

すごく満足して働かれているのだろうと、素晴らしく感じると同時に、満点をつけたそのこと自体にも、謎に感心してしまった。


その10点をつけた2人にも、よくよく話を聞いていくと、小さな不満や悩みももちろんあったのだけれど、総合的に10点なのだと。


多少のマイナスはあっても10点が付けられる姿勢、感覚、感性がなんかいいな、と。

私自身はどちらかというと、満点よりは少し真ん中に寄せ気味な傾向があるタイプだから、できることなら、今後ははっきりとした点数をつけることを意識してみようかな。
そのこと自体にどれくらいの意味があるかはわからないけれど。


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カトウシンイチロウ / 人生を開拓するキャリアパートナー
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