転機を逃さないために
キャリアに携わる仕事をしているからなのか、人生の転機というものに強く興味が湧いてくる。
もちろん、自分自身の転機を振り返ったりすることもあるし、転機の兆しや渦中にあるときは、小さなきっかけや人との出会い、見聞きする言葉や情報にも敏感にもなる。
同じように誰しも、知らず知らずのうちにいくつもの転機があって、そのたびに意識的か無意識的かは別にして意思決定を繰り返してキャリアを積み上げている。
「なぜその仕事に就いたんですか?きっかけはどこにあったんですか?」と、特に珍しいお仕事をされている人に出会った時は、必ずといっていいほど尋ねたくなる衝動に駆られる。ただ、込み入った話になることもあるので、初対面では中々聞けない。ある程度関係性が出来てからだ。
転機というのは、九死に一生を得るような経験だったり、著名な方や先生などパワーがある人の言葉のように目に見えて分かりやすいものかもしれないし、友達の何気ない一言のように日常にフラッと現れるものということもある。
転機の正体とは何なのか、少しだ考えてみる。
ナンシー・K・シュロスバーグの理論
キャリアの世界で転機というと、一番初めに上がってくるのが、ナンシー・K・シュロスバーグ先生の理論だろう。
めちゃくちゃざっくりいうと、シュロスバーグ先生は転機のきっかけを2つにカテゴリしています。
・イベント
‐期待していたことが起きる
‐予期していなかったことが起こる
・ノンイベント
‐期待、予期していたことが起こらない
このイベントとノンイベントと呼ばれる出来事が発生した際に、4つのSについて考えることで、うまいこと乗り越えていきましょうね。というのがシュロスバーグ先生の理論です。
#キャリアコンサルタントの方々に怒られそうなまとめでスミマセン
シュロスバーグの4つのSはこちら。
・Situation(状況)
・Self(自分自身)
・Support(支援)
・Strategy(戦略)
シュロスバーグ先生の理論については、こちらのnoteが詳しく書かれてそうだったので、ご紹介させて頂きます。
※いつもながら勝手にリンク貼っています。削除依頼はコメントまでお願いします。
転機はいつやってくるのか?
イベントやノンイベントが転機のきっかけであることは分かったけれど、人生に大きな影響を与えるほどの転機は、いつやってくるのだろうか?
期待したことが起こったり、起こらなかったり、予期せぬことが起こったりなんてことは日常的に発生する。そういう小さな出来事が積み重なって、人生を形作っている。
しかし、時としてガラっと人生が変わるほどの大きな転機がやってくることもある。それは、どのようなタイミングで発生するのだろうか。
皆さんも自分の人生を振り返って思い出してみてください。
あなたの人生に大きな影響を与えた 転機 がどのようなものだったのか。
私の場合は、誰かが他の誰かに伝えた何気ない一言が大きな転機につながっていたことが多い。
予備校の先生が授業中に何気なく放った言葉。
友人が別の友達にSNS上で伝えたいた言葉。
一回り以上も年上の先輩がビール片手にこぼした言葉。
それらの言葉は、最初に見聞きしたときは、スーッっと耳の奥に流れ行くだけなのだけれど、時間の経過とともに自分の心の中で重しのようにズンっと沈み込んで存在感を放ち始める、自分の進路に関する悩みだったりを巻き込みながら、ますます大きくなっていく。
そして、振り返ってみると、自分の人生に大きな影響を与えるような転機に結びついていたりするのである。
この私の転機に結びついている誰かの言葉たちは、最初からそれ自体が大きな影響力を持っていたわけではない。ただ、何かしらと悩んで考えて模索していたときに、全体を結びつけるための最後のピースとしてピッタリとはまり込んだことで、それまで止まっていた流れが、少しずつ(時に一気に)動き出す。
逆を返してみれば、日ごろから考えたり悩んだり、模索しながら動いていなければ、言葉だけ見聞きしたところで、それは転機にはならない。
「日々鍛錬しいつ来るともわからぬ機会に備えよ」ということなんだろうな。