最近、移動中や料理をしているときなどに、よくAudibleを聞いている。
何を聞いているかというと、今さらながらハリーポッターシリーズを聞いているのである。以前はビジネス書の音声版などをよく聞いていたのだけれど、無料トライアル版にハリーポッターがあり、何気なく聞いてみると、俳優の風間杜夫さんが読み手で、聞いていて違和感がなく心地が良かったのである。

あと、ビジネス系や自己啓発系の内容だと、ある程度集中して聴いておかないと内容が頭に入ってこなかったり、他の作業をしているとメモを残せなかったりする。したがって、料理や運転など、何か他の作業をしているときは、小説のAudibleというのは私にとって非常に都合がよいのだ。

さて、
ハリーポッターシリーズについて、今さら説明の必要もない。魔法使いの少年が、友人たちとあれやこれや・・・・・・して成長していく物語で、イギリスで発売されたものが、現在では世界各地で翻訳されベストセラーとなっている。

私が初めてハリーポッターシリーズを手にしたのは、高校生の頃だった。
その際は、よくあるファンタジー小説の類と思いながら読んでいたけれど、魔法世界の魅力に引き込まれて、寝食を忘れて読みふけっていた。
けれども、数年に一度しか新刊が発売されなかったことと、私自身が大学生になり社会人になる過程で、興味が他のことに移ったこともあって、結局3巻くらいまでしか読んでいなかったし、映画も2話目までしか見ていなかった。

なので、今回Audibleで聞き始めて、けっこう新鮮な気持ちで魔法世界のあれやこれやを楽しんでいる。ただ、純粋にファンタジーを楽しむというより、ついつい登場人物の描写だったり性格みたいなところを観察してしまう。

主人公のハリーポッターというのは、完全無欠のヒーロータイプではなく、親友のロンといたずらをしたり、先生の言いつけを破ったり、自ら危険に飛び込んでトラブルに巻き込まれてしまうような、良く言えば好奇心旺盛だが、悪く言うならば無鉄砲な性格のところがある。そういう等身大な姿に共感したり、親近感を感じられるところも魅力なのかもしれない。

読み返して(聞き返して?)いて意外だったのが、ハリーポッターという少年は、実はけっこう嘘をつく。規則を破ったことを見咎められてスネイプ先生(ハリーの天敵的な人)に呼び出された時、親戚のダーズリーおじさんに問い詰められた時など、自分の身を守るためだったり、自分の願望を叶えるために、飄々と嘘をつく。

もちろん、友人や大切な何かを守るための嘘というケースもあるけれど、自分のための姑息な嘘というのもけっこう多い。今になって思うと、なんでこんな嘘つき少年が世界中で人気者なんだ?とちょっと疑問にも感じる。(それだけ親近感を感じるということか)


*******
以前に説明と言い訳の違いについてnoteを書いたことがある。その時の考え方でいうと、誰かのために行うのが説明で、自分のために行うのが言い訳と結論付けた。

嘘も似たようなものだと考えていた。
誰かのためにつく小さな優しい嘘は許容されるし、自分のためささやかな嘘はヤリ玉に挙げられる・・・と思っていた。
ハリーポッターの例で言うと、そんなことはなさそうなのだけれど、現実世界だとどうなんだろうな。


前職で人事担当だった際に、先輩の同じく人事担当の方とお話している時に、よく話していたのは「嘘つかれると救えないですよね」ということだ。

人事には、様々な従業員の"問題"が持ち込まれる。
業務上の成績不良(に付随する契約関連のあれこれ)、社員同士のトラブル(ハラスメントとか、信頼関係がうまく築けないとか)だけではなく、公共料金や税金の滞納による給与差し止めといった金銭に関わるもの、その他家庭問題(パートナーとの問題、介護、育児などなど)まで、実に豊富だ。

もちろん、しょっちゅうトラブル対応ばっかりしていたわけではないけれど、実に色々ある。

そんなトラブルが発生した場合に、人事というのは出来るだけフラットに対応しようとする。社員に問題があれば改善を促すし、組織に問題があれば、組織の改善を働きかける。

最初から「処分してやろう」なんて考えてはいない(そういう人事もたまにいるけど)。
どちらかというと、折角頑張って採用してきた人たちなので、平穏に働いてもらいたいというのが本音だ。だから、出来る限り納得感のある落としどころを見つけようと、あれやこれやするし、救えるものは救いたいと思っている。


けれど、例外がある。それが「嘘をついている社員」だ。
人事は、基本的に社員の話したことと、実際の事象に基づいて、判断し行動する。ただ、複数の関係者がいる場合に、言っていることが噛み合わないことがあるので、当然、裏どり調査もする。

たぶん、人事未経験の方が思っている以上に、徹底的に裏どりする。
少なくとも私の前職では"なんとなく"といった感覚で人事が何かしらの判断したことはない。推定無罪という言葉があるように、事実確認ができなければ、何の処分も出来ない。(いい加減な処分をしてしまうと、まわり回って逆に自分たちが訴えられてしまうリスクもある)

そういう徹底したところがあるから、社員がつく嘘というのは、十中八九バレる。一見バレていないと思っても、泳がせている・・・・・・というケースが多い。

嘘をつかれてしまうと、その社員のことを信じられなくなるので、信頼関係が破綻してしまう。したがって、救うことが難しくなるし、プラスのサポートを積極的に行わなくなる。

人事だって人だ。そんなもんである。



ずいぶん話の方向性が見えなくなってきたので、強引に着地させると、
嘘はバレる。
もし嘘をつく必要があるならば、嘘をつくことで得られるメリットと、バレてしまった際のリスクやデメリットを相当慎重に天秤にかけた方がいい。

お天道様は見ている。
#なんそれ

いいなと思ったら応援しよう!

カトウシンイチロウ / 人生を開拓するキャリアパートナー
サポートありがとうございます!小躍りしながらキャリア・コーチング関連書籍の購入費に充てさせていただきます。