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外に出て初めて気が付くこと。

20代前半の若者のお話を聞いていて、ハッとした。

「少し仕事を離れて、別の仕事や色々な職場に入ってみて、改めて元の職場の良さみたいなものが分かりました」

そうなんだよなー。
外に出て、比較対象となるものを見つけて、やっとそれまで置かれていた自分の立場の良し悪しみたいなものが見えてくるんだよな。
なんだか、最近凝り固まりつつある脳をスパンとほぐされた感じ。

あぁ、恵まれていたな。と感じることもあるだろうし、
あぁ、大変だったんだな。と感じることもあるかもしれないし、
あぁ、どこも似たようなものなんだな。と感じるかもしれない。

ただ、それらの感想と言うのは、いくつかの比較対象を並べてみたからこそ分かることで、比較できない(一般的な基準を持ち合わせていない)状況だと、なんとなく隣の芝が青く見えてしまうものなのかもしれない。


海外に行った人が「やっぱり日本がいいね」と言って帰ってくる。
不満だらけで転職したはずが、次の職場でも似たような不満を漏らしている。

こんな風に、自分の中にある天秤の両方の皿に比較材料を乗せられることは、幸せなことなのかどうなのか。これはけっこう難しい。

「こんな美味しいもの知ったら、他が食べられない~」なんていう不幸もある。まぁ、これはレトリック的なことで、実際には他のものも食べるのだろうけれど。

それでもやっぱり、私は色々知りたいと思ってしまう。
そうか、それが好奇心というやつか。9つの命を得ないとな。

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