見出し画像

プロ野球選手のセカンドキャリア

9月も後半に差し掛かり、プロ野球界では「今シーズン限りで引退」というニュースが聞こえてくる。

ひと昔前であれば、第一線で活躍しているような選手でも、30代の半ばも過ぎればベテランであり引退カウントダウンというような感じだったが、ここ最近では選手生命が伸びてきたのか40代になってからの引退という選手も珍しくなくなってきた。(もちろん、20代や30代前半で戦力外となっている選手たちもたくさんいるのだろうけれど)


つい先日引退を宣言した40代半ばの選手に対し、数年前に既に引退しているOB選手がこんな声をかけていた。
「20年以上にわたり第一線でのご活躍お疲れ様でした。引退後はとにかくゆっくり過ごして頂きたいと思います」

プロスポーツの競技者という方が身の回りにいないので、完全に推測になってしまうのだけれど、日々のトレーニングや食事管理などきっと大変なことがたくさんあるのだろう。体を酷使して、痛みと戦いながら競技を続けているような選手も珍しくないと聞く。

そういう”厳しい世界”で闘い続けてきた人に対して、まずはゆっくり体を休めてください という言葉に特に違和感はない。

しかし、ふとあることを思ってしまった。
40代で引退して、プロスポーツの競技者としてのキャリアはそこでいったん終止符を打つことになるが、人生という観点でみると、100年時代では、40代というのはまだ前半戦にある。

プロ選手として走り続けてきた年月の倍近い期間、別のキャリアを歩むことになる。

もちろん、20年くらい第一線で活躍していたような選手であれば、経済的にはある程度の余裕があるだろうし、仕事の動機がお金以外のものになってくるかもしれない。それでも、残り40~50年の年月という期間は、ダラダラ過ごすには長すぎる。


そう考えると、のんびりもいいけれど、早いこと次のキャリアステップに進まないと、一気に老け衰えてしまいそうな懸念を感じる。

特に一つの物事を極めるような人というのは、別の見方をするとそれ以外のことに全く無頓着であったり、未経験領域が広く広がっている。たまに、新しい領域でも全く躊躇せず飛び込んで、常人ならざる成果を出すような超人もいるが、全ての人がそう簡単にいくわけではない。


プロ野球選手という分かりやすくキャリアを活かすならば、野球の指導者というのが次のキャリアとしては考えやすい。あるいは、たくさんのファンという資産を活用してのタレント活動なども想像しやすいし、実際にそういうキャリアチェンジをした人もたくさんいる。

しかし、それら以外のキャリアではどうだろうか。
恐らく、野球やプロアスリートという領域の中で、何かしら汎用性のあるスキルや経験が身につけられているはずである。それを意識的に自覚できるかどうか。またその能力を活用したいと思うかどうか。さらにその能力が必要とされる新たな領域を見つけ出せるかどうか。


実際にプロアスリートがセカンドキャリアを探すときに、どのようなことを考え、意思決定していくのか、ぜひぜひお話をお伺いしてみたいものだ。



いいなと思ったら応援しよう!

カトウシンイチロウ / 人生を開拓するキャリアパートナー
サポートありがとうございます!小躍りしながらキャリア・コーチング関連書籍の購入費に充てさせていただきます。