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2020 都会のボーイスカウトに入団したはなし

香取さとり30歳までのカウントダウン
第28夜 2020

1月19日、3度目の誕生日ワンマンライブ「東洋的成人式」は場所をDaisy barから上の階のLagunaに移して開催。女性は7の倍数に節目があるという東洋医学の考えから着想を得たイベントでしたが、バンド、ソロ、カバー曲、MCコーナーなどやりたい放題させてもらい、今までやってきたことが少しだけ実を結んでいる手応えを感じました。ライターの友人がライブレポを書いてくれたので、リンクを貼っておきます。

このころ、30歳が見えてきて身の回りの半端なものをすべて断ち切りたい衝動に駆られた私は、長く付き合っている恋人との無限にも思える話し合いを一方的に終わらせて精神的な放浪の旅に出ます。行きつけの美容室に行って「とにかく男ウケのいい、モテる髪型にしてくれ」とオーダーし顔まわりの後れ毛をふわふわさせたり、道端で出会った営業マンと飲みに行ったりしていました。漠然とした「このままではいけない」という考えが全ての選択に付きまとっていて、普段選ばないほうを選んでみる、という実験をしていた時期でした。

そんな時、先日の記事で紹介した厨房の姐さんと自由が丘のご飯屋さんに飲みに行きました。普段私が行くお店とは全く違う佇まいの、調理場を囲むカウンターでお客さんが店主と話をしながら美味しい料理をちょっとずつ食べるような店です。私はウキウキしてワインを好きに飲んで楽しんでいたのですが、カウンターの斜め向こう側にひとりのジェントルマンが悩みを抱えたような顔でしっぽり飲んでいるのがなんとなく気になっていました。

姐さんが席を外している間に、店主とそのジェントルマンの会話を聞いていると、「春からボーイスカウトに女の子が入るのだけれど女性の指導者がいないのでキャンプに連れて行くのが厳しい。思い当たる人もいなくて困っている」という旨でした。高校時代、夏休みのほとんどをキャンプの手伝いに費やしていた私は、ああこれは宇宙の導きだなと思って会話に割って入り、酔いの勢いもあって「私で良ければいつでも行きますよ」とジェントルマンと名刺交換をしました。全然知らない人の悩みなんて放っておいてもよかったのに、どうしても他人事には思えず。

かくして、私はなんのゆかりもない都会のボーイスカウトに謎すぎるルートで入団することになりました。どこの馬の骨かもわからない大人がいきなり子どもと接するのはよくないと思ったので、一応の経歴を説明しましたが、経歴なんかどうでもよくその気持ちが嬉しいよと指導者も保護者も温かく迎え入れてくれました。私服でもベージュやカーキの色味を選びがちなので、制服もすんなりなじんでしまい、あれよあれよと今に至ります。

入った時からコロナ禍でしたが、オンラインでスカウトの中高生にロープワークを指導したり、北極星の探し方を調べさせたりしていますが、学校以外の学びの場っていうのは自分の専攻でもあるので、めちゃ楽しんでやらせてもらっています。今日もみんなで倉庫の整理をしてきました。この状況では春のキャンプも先延ばしになってしまうかもしれませんが、できる限りの活動をしようと皆さん本業の傍ら一緒懸命考えています。

もしお子さんの休日をよりよいものにしたいなら、ボーイスカウトの門を叩くのもアリだと思います。もちろん大人も。ご興味ある方いればご一報ください。

ジャニーズJr.も今年ボーイスカウトの映画をやるらしいので楽しみにしてます。

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