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2008 無限にも思えた追試のはなし

香取さとり30歳までのカウントダウン
第16夜 2008

高2のクラスは文系、理系で分かれていましたが、文系はとにかくギャルが多い!メイクばっちり、スカートはおしりギリギリ、個人ホムペのプロフィールも攻めすぎの友達が多くて、本当に友達だったのか?と聞かれると適切な答えが見つからないのですが、毎日いっしょにお弁当を食べるのと、予習が間に合っていない時に助け合う間柄でした。

文系科目はなんとか頑張れましたが、数学はそもそも公式を覚える気が起きなくて、200点満点のテストで3点でも「だって勉強してないもんねー!!」と開き直っていましたね。夏休みに追試、追々試〜続々再々追々試完まで受けさせられましたが、結局最後まで30点くらいしか取れなかった気がします。

放課後は相変わらずジュニアリーダー活動に精を出しており、話し合いは市役所の展望台やザ・モールのフードコートで、レクリエーションの練習は開成山公園のプール前や麓山公園でやってましたね。暑い日も寒い日も関係なく、納得いくまでストイックに。

私は自分たちが楽しむことが一番だと思っていたので、もう少しユルくやろうよと提案することも多かったのですが、中途半端を許せないメンバーもいて、ちょっとした意見のすれ違いが重なりメンバーはどんどん減っていきました。自分の代が卒業まで耐えても、団体としての持続性がないことは目に見えていたので、なんとか方向転換を図ろうとしたのですが、話し合いでは解決できず。大学入って数年は後輩の活動状況を風の噂で聞いたり、帰省のたびに相談にのったりしていましたが、後輩の後輩たちが活動を続けているという話も今ではめっきり聞かなくなりました。

良くも悪くも、今の私があるのは間違いなくこの頃の経験のおかげなのですが、メンバーがどれだけ労力を割いても1円も得られないボランティアって一体なんなんだろう、こんなに苦しんでまで自己満足を求める意味ってなんだろう、何をどうしたら時代に合った組織を作って、構成員が笑顔でいられるんだろう、と当時の悩みは今も解決できないままです。それは売れないバンドにも置き換えられることで、限りあるお金と労力を持ち寄って作る音楽で私は誰を幸せにできるんだろう、誰かが幸せになったところで、自分にとってそれは本当にやりたいことなのだろうかと考えたりすると、前にも後ろにも進めなくなってしまいます。

2020年にひょんなことからボーイスカウトに入ってさまったのですが、それでわかったのは、私はまだ高校時代に解けなかった問いの答えを心のどこかで求めていたということです。公式に代入するだけの計算はどうも性に合わないので、どれだけ時間がかかっても自分の目で見て確かめたいという気持ちがあります。

私の追試はまだ続いているのかもしれません。

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