日々のごはんについて考える
子どもが生まれて12月で丸2年になる。
はじめは何もかもがドロドロにすり潰された離乳食を食べていた子どもも、今年に入ったあたりから少しずつ私たちと同じものが食べられるようになってきた。
与えられたものをただ食べていた状態から、興味を持って口にしてみる、時には与えられるものを拒否するという行為も増えてきた。
ふと、自分は子どもの頃どんなものを食べていたっけな…と思い出してみる。
初めてサンタクロースにお願いしたプレゼントはサンドイッチだったそうだ。
幼稚園のお弁当箱はキティちゃんだったっけ。
どんなおかずが入っていたかな。
小学校に入って初めて食べた給食、シチューだったかな。その日だけ、やたら美味しく感じておかわりしたのを覚えてる。
運動会の当日は母が大きなお弁当を作ってきてくれて、家族みんなで食べた。
横に半分に切ったみかんが好きだった。
好きな食べ物は?と聞かれたら「なすのグラタン」と答えていた。チーズがたっぷりのるように大皿から取る。
パンが大好きで、特にバターをたっぷり塗ったトーストに焼いたハムをのせたやつが好きだった。じゅわっと広がるバターの風味と香り、今でも鮮明に覚えている。
あたたかいごはんにのせたすじこも大好物。今でも毎日食べたいくらいに大好き。
おばあちゃんがこさえてくれた、だだちゃ豆のお餅。そのおばあちゃんが最後に作っていたのはニシンの煮物だったっけ。みんなで噛みしめるように食べた。
母が出かけて父と弟と留守番する時、母が作り置いてくれたカレーを食べ、翌日残りをカレーうどんにしてくれた。前日のカレーとまた違って美味しかった。
高校受験の当日、朝から雪が降ってとても寒かった。帰宅のタイミングに合わせて、母はアップルパイを焼いて待ってくれていた。あれは後にも先にも一番美味しいアップルパイだったと思う。
大人になって、外でごはんを食べることも増え、美味しいごはんと美味しいお酒を知った。
少しずつ自分でもごはんを作ってみるようになった。
結婚して、私の作ったごはんを食べてくれる人があらわれた。
そして、夫と子どもと3人で食卓を囲むようになった。
毎日、毎食、心を込めて手料理を…なんてことは私にはできない。
外に出かければ料理を生業にした方の美味しい料理が食べられるし、出かけなくたって家に届けてもらえる。
両親や友人が作ってくれたごはんがとても美味しいことを知っている。
それでも、スーパーに季節の旬の野菜が並べば買うし、今年は秋刀魚が豊漁だと聞けば喜んで焼いて食べる。
日々のごはんはまた別の話。
毎日じゃないけど、手は込んでないけど、日々のごはんについてあれこれ考えながら、作ってみる。
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