日記: きな粉餅はわらび餅の夢を見るか?
わらび餅と書かれて売られていた和菓子を買った話。
ぷにぷにのすこし柔らかい歯応えの、すりガラスのような質感の、あのわらび餅が食べたかったんです。
でも、わらび餅と書かれて売られていたそれは、どう咀嚼しても、何度味わっても、きな粉餅でしかない。
なんならきなこ棒かな?という食感もする。
よく見てみると白っぽい餅のほかに食紅で着色された餅も見える。
はて、私はわらび餅を買ったはず。見間違えたのか。
たしかに本わらび粉で作ると固くなりやすいが、そんな高価な粉を使って作って170円で投げ売らないだろう。
価格を見た時点で気がつけばよかったのだ。これはきな粉を纏った餅のようなものだと。
わらび餅に飢えていた私はまんまと買ってしまった。
和菓子が好きな夫と味を評しながら一緒に食べたかったのに。
夫と一緒にこんな悲しみを共有なんてしたくない、でも食べ物を無駄にもできないと思い全部食べた。
170円の勉強代はものすごく安かったんだ。きっと。
安いわらび餅はコンビニとスーパーにあるやつだけで十分だ。
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