体育祭の思い出話。
遥か昔、私が高2の時の体育祭でのお話。
クラス担任は「これが青春だ」を地でいくような爽やかな先生でした。
体育祭で、クラス対抗の綱引きがありました。
(男子校でした)
初戦相手がやたらと巨漢の多いクラスで、まともに戦っては?と、ハナから勝利をあきらめていたクラス委員は、『先頭の合図で全員一斉に手を放し、相手がひるんだ隙に一気に引き込んで勝利へ!』という奇策を提案。
男子校でしたので、普段「運動会なんて一生懸命やったって…」みたいに冷めてる連中も多いのですが、彼らもその話にはのってきて、計画は、その日までたとえ先生でも他言無用!ということになりました。
体育祭当日、いよいよ奇策決行の綱引きが始まります。
案の定、我がクラスはジリジリ劣勢、と、先頭の委員が合図の手を上げました。
作戦は見事にはまって、相手方は、しりもちをついたりしてます。
我がクラスは、相手がひるんだ隙に綱を一気に引き寄せますが、戻せたのもスタート地点まで、相手はすぐに立ち直りました。
ところが、作戦はここまでしかできていません。振り出しに戻るなんて想定外です。
再びジリジリと劣勢です。
なんと、ここで先頭の委員が、もう一度合図の手を上げました。
が、同じ手が2度通用する相手ではありませんでした。
綱は、これでもか!というくらい、無惨にグラウンドのはしのはしの方まで引っ張られて行きました…
体育祭の後、クラスに入ってきた先生の苦笑いしながらの第一声が今も記憶に残っています。
「お前らなぁ~」
先生は、同僚の先生たちにからかわれて、とても恥ずかしい思いをされたとのことでした。