![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77837655/rectangle_large_type_2_fe938d262447bf4bcfe356122f17ae5c.jpeg?width=1200)
30数年前のこどもの日、オモチャ屋での出来事。
こどもの日に着くよう、高額な乗用遊具の配送を注文されたのは、上品な老齢のご婦人でした。
昨今のオモチャ屋さん事情は存じていませんが、ボクがオモチャ屋で働いていた頃、こどもの日はクリスマス、お盆休みと並ぶ繁忙期でした。
高額な商品が売れる大事な日。
その年のこどもの日、忙しい中、配送業者から
「荷物を受け取ってくれないんですよ…」
と電話が入りました。
お金は既にいただいているので、事情が呑み込めず、配送先に電話を。
何回目かで、ようやく繋がった電話で、いきなり、
「送りつけてくるの、止めてください!
あの人には、何の義理も無いんですから!」
けんもほろろ。
恐る恐る、
商品はどうさしていただきましょうか?
とたずねると
「そんな事知りません!
とにかくそんなん要りません!
あの人に聞いたらエエでしょ!」
ガチャン。
仕方ありません、買われたお客様の方に連絡を入れると、丁寧に詫びをなされ、結局キャンセル、ご返金となりました。
本来なら送料はいただくんですが、後日、返金受け取りに来られたご婦人が、あまりにも萎んでおられたので、言いそびれてしまいました。
こどもの日、徒労に終わった、ちょっと悲しい思い出話です。