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外で人にサービスされたとき

たとえば、コンビニに入った時。欲しい商品を手に取ってレジに向かう。レジに、明らかに自分よりも若い店員さんがいて商品を受け取り、POSでスキャンして値段を教えてくれる。自分はその商品に対してお金を支払う。店員さんはそれに対してお釣りとレシートを私に渡す。

さいごに「ありがとうございました」と言って、彼(彼女)は商品を私に渡してくれる。それに対して、

「ありがとう」と私は返す。黙って立ち去るのではなく、「ありがとうございました」でもなく。ただ「ありがとう」と。

私の「ありがとう」に最初に反応したのは、一緒に食事に行った20代の若い友人であった。会計を済ませてレジの人に「ありがとう」と告げる私を見て彼女は言った。「ああ、katomoeさんくらいになると”ありがとう” になるのですね」と。その時まで、「ありがとう」と自分が無意識に言っていることに自覚がなかった。

これが目上の人や同世代の店員さん相手であれば、間違いなく「ありがとうございました」となるだろう。だが、気が付けば外で働く人たちの大部分が自分よりも明らかに下の年齢の若い人々になってしまっていた。カフェやレストランで何かを頼んで持ってきてもらう時、そしてレジでお金を支払う時。そうしたときにも気が付けば「ありがとう」と言っていることが多い。

すごく些細なことではあるが、こういうこともきっと「大人になること」なのだと思う。(了)




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