Navigating the art world 内容紹介その4:インスタ基本編。
Effective Social Media- How to capture your audience
さていよいよ、お待ちかねのウェブマーケティング編。
SNSの使い方。というか、インスタグラムの使い方の話。デルフィアンの立場は「アーティストとして成功するためにSNSは必須ではないが、上手く使えば強力なツールになる」というものです。
それはそう。それはそうなんですが、私見では日本で活動している日本人現代アーティストのSNSの運用レベルは、はい、めちゃくちゃレベル低いと思います。
世界は広いので、そりゃあ世界のどこにでもSNS下手なアーティストはいくらでもいますよ?
でも・・・・なんて言えば良いかな。
例えば首都にあるまあ有名なアートスクールを今年卒業です。これから現代アーティストとしての階段を上って行こうと思います、・・・の時点ではまああまり変わらんよね、というレベル差だったのが、3年も経つと彼我の差は相当なものになってる気がしてならないです。同期のトップランナーと目されるグループの比較でね。
理由はよくわかりません。
もしかしたら、という仮説はちょっとありますけどね。寄り道になるけど一応、私自身の整理のために書いておこうかな。
顔出しを病的に恐れる日本人女性
私も結構長い間、大学の先生をやっていたんで、学生たちのSNS使いというのはよく見てました。総合大学の社会学部だったからむしろ「就活で無駄に不利になるからくだらないことは書くな、書くなら鍵アカでやれ」と言う立場でしたけども。
で、彼ら彼女らが大学を出ますよね。どんどんウェブから痕跡を消去していきます。
フェイスブックを消す、ツイッターは止める(あるいは、学生時代のアカウントを捨てて別のアカウントにする)、インスタは鍵かけて、基本はストーリーでリアルのごく親しい友人たちとだけ近況報告しあう。
こうなります。
とにかく表に出ることを極端に嫌うようになる。なんなら勤務先で社員としてウェブサイトで紹介されるのすら、めちゃくちゃ嫌がる。ヘッドショットなんかもっての他。これは私は会社で部下を10人くらい持ってた時にも経験しましたし、今、コンサルタントとして企業のブランディングをやっていてもものすごく感じます。
特に女性。日本の女性の「顔出し」への抵抗感は桁外れに強いです。宗教じみている。
それの延長線上に、日本人現代アーティストのSNS下手もあるのかなあと思ってます。
上手い人もいますよ。Aki Inomataさんなんかほんと上手い。彼女は顔出し全然平気で、それが日本人女性アーティストの間で頭一つ二つ三つと抜けていく武器になっていますね。アングラ臭・サブカル臭・オタク臭が皆無で、発注側からすると超安全牌のポジションになっている。この人なら間違いは起こさないだろうと。
逆に言えばライバルがSNS下手過ぎるってことでもあるんですけど(もちろん具体的な名前は出しません)。
【補足】日本語でツイッターばっか見てると気づかないと思いますが、サブカル臭やオタク臭をまとった現代アーティストでそこそこのとこまで(まともなギャラリーと契約している、まあまあの公募に通る)行ってる人って、media art以外では絶無に近いです。日本の外では。サブカルやオタクは落合陽一みたいな厨二病フル・スロットルのmedia artで行くか、コミコンみたいなファンダムの世界で活動するか、のようです。
閑話休題。
そういう状況(日本人の現代アーティストのSNSマーケティング下手)はもう少し改善されて良いんじゃないかなあ。
と私は思います。だって、最終的には顔出しで自分の名前で商売していかないとどうにもならない業種なんですから。アーティストは。
で、デルフィアンの本に戻りましょう。
彼らは冷静なので、今のところインスタグラムが現代アーティストのセルフプロモーションのプラットフォームとしては圧倒的に重要だけれども、もしかしたらアルゴリズム変更で全くそうじゃなくなるかもしれないとも書いています。その実例を我々は幾つも知っていますよね。Mixi。ツイッター。インスタグラムが絶対にそうならない保証はないので、そのリスクマネジメントの手段も紹介するよ、というのがこの章のまえがきです。
Types of Feed
まずは現代アーティストとして、自分のフィードをどうキュレーションするか決めましょうという話です。
フィードつまりこういうもの。アイ・ウェイウェイ。
これは私のフィードです。私はアーティストではなくコンサルタントなので、皆さんとは方針が全然違って、なるべくとっ散らかったフィードにするように心がけています。私はフリーランスの何でも系コンサルタントだから、何でも無茶振りしたらなんとかしてくれるってイメージ作りをしています。
話を戻しましょう。
デルフィアンは二つのフィードのキュレーションのアプローチを提案しています。
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