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日本百名山に想う

山を味わうこと、無理をしないこと、”楽しい”を感じること。どれも山行で大切にしたいこと。
なのに、つい気にしてしまうことがある。それは日本百名山!!
「あと何座」とかいう話を聞くと「大切なのは数字ではない。山行の奥行きだ。百名山に縛られて、大切なものを見失っている」と思う。

それなのに、この夏に行きたい山を考えていたら、どれも北海道にある百名山の山々ばかり…。
自分こそが、百名山にとらわれていると気づく。

その理由を考えたら、大きくわけて三つだった。

① 今が一番若くて体力があるから
② 転勤があったら、来年は北海道にいないかもしれないから
③ いつか子どもができたら、できなくなってしまうから

どれも、あまり前向きな理由ではない。そして、これらの根幹にあるのは、
いつか百名山を制覇したくなったときに、登っておけばよかった、と後悔したくないから、という気持ち。
なんとも後ろ向きすぎる。

ニセコに遊びに行くと、いきなりドン!と出てくる雄大な羊蹄山。いつ見ても、とてもかっこいい。札幌の山からも、その姿が見られる。あんな大きな存在に登れるなんて…登頂に成功したら、羊蹄山を目にする度に「私は、あんな大きいものの上に立ったのよ」と感慨深い気持ちになるだろう。他の山々も然り。

先日、往復八時間の夕張岳でへばってしまい、「背伸び登山は、たまにでいい」と思った。それなのに、「この機会を逃すと、もうないかも」と思ってしまう。

百名山を目指す、三つの後ろ向きな理由を改めて見直すと
① 今が一番若くて体力があるから
いつでも今が一番若いけど、来年の私の方が今より体力はついているかも

② もし転勤があったら、来年は北海道にいないかもしれないから
こればっかりは分からないし、たとえ転勤になったとしても、どうしても登りたかったら時間を作ってくるはず

③ いつか子どもができたら、できなくなってしまうから
結婚もしていないし、子どもは、まだまだ妄想の産物。将来子どもがいるかも分からないし、どうしても行きたかったら、方法を考えるはず

不確定な未来に対して、今、対処しようとしている。先のことは分からないのに、なんだか生き急いでいる。もしかしたら、未来の私は、山以上に夢中になれるものを見つけているかもしれないのに。
山に行くと、人間のせせこましさから、離れられるのが好きなのに、自分が一番せせこましい。

山は逃げない。いつだって、そこにある。背伸びすることになっても、無理のない、私が楽しいと思える計画を立てたい。北海道に梅雨はないけど、近頃の週末は、天気に恵まれない。山と自分に、じっくり向き合うための時間なのかな、と思う。

写真は、倶知安 (くっちゃん)で見た羊蹄山(ようていざん) です。

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