ホーム マウンテン、私の好きな山 (北海道 藻岩山)
ホーム マウンテンとは、野球でいうところのホームグラウンド。
そう!つまりは、いつもの、馴染みの、愛しいお山!!
鈴木みきさんの漫画で、私は、この言葉を知った。
それ以来、ホーム マウンテンというものを意識するようになった。
去年、札幌で開かれた移住者イベントに参加した。上川町に移住した若者は、「黒岳がホーム マウンテンになった」と嬉しそうに語っていた。
北根室ロングトレイルをした時、宿のおじさんに送迎をしてもらった。その方も「俺らの山は、武佐岳なんだ」と教えてくれた。
登っても、登らなくても、ホーム マウンテンは、誰にでもあるような気がする。
私のホーム マウンテンの一つは、藻岩山。
札幌市民の山であり、決して私だけのものではない。
それでも、私のホーム マウンテンとして勝手に慕っている。
藻岩山は、アクセスがいい。札幌の中心部からも地下鉄とバスで、30分足らず。
そして、登り1時間程度の割に、札幌市内を見晴らす眺望。
南区の山は、すぐそこだし、天気がいいと、街の向こうに暑寒別も見える。
山頂にはケーブルカーもあって、いざとなったら、それに頼れる安心感がある。
先日、久しぶりに藻岩山を登った。
冬でもたくさんの人とすれ違う。
夏は、ほぼ毎月来ていたけれど、今冬は初。
新雪の積もった登山道は、歩くたびに、ムキュムキュッと音がする。
夏は、歩けば歩くほど、自分が山の中に吸い込まれていく。
だけど、冬は違う。この間抜けな音が、私を、現実に踏み留まらせる。
でも、足を止めた時、そして上がった息が落ち着く頃、自分が、雪に包まれた静寂の中にいると気づく。そして、自分が真っ白な世界の一部になったように感じる。
私は、藻岩山が大好きだ。
何度登っても飽きない。いつも色々な表情を見せてくれる。
転勤族の私は、春には、もうここにいないかもしれない。
あと何回、この山に登れるのだろう。
様々な場所に住んだから、今まで色々な人と出会ってきた。
出会った人たちに、私のことを、覚えておいてほしいとは思わない。むしろ、忘れてほしいと思う。すれ違っただけの人でいたい。
自分が出会った人たち、ここであった出来事、ここで登った山々は、自分が記憶していたら、それでいいなと思う。
写真は、藻岩山の山頂から見える山々です。