山奥の秘境感満載!肘折温泉|朝市で爆買い
山寺を後に私たちが向かったのは、山形県の山の中にある長い歴史のある肘折温泉。
それにしても1時間以上かけていく山道は、陽が沈んでから向かうと思いっきり街灯の無い場所も多くて、おそらく田舎道に慣れていないとなかなか勇気のいる道のりだった。
しかも、結局1時間くらいの山道ですれ違った対向車は温泉地近くで2台ほど。
基本的に明るい時間帯に着いて、のんびり過ごす場所なんだと思うけど、このシチュエーションに田舎暮らしの私たちでさえ「なんという秘境感…!!!」とワクワクするほどだった。
19時前頃、無事に宿につき、一呼吸おいてからとりあえず夜のお散歩へ。
数少ないお店はすっかり閉まっていたけれど、古い宿の立ち並ぶ通りは部屋の明かりや軒先の提灯で十分に明るく、どこか懐かしいような、誰にも会っていないのにもてなされてるような感覚があった。
ごはんは食べてきたし、移動の多い1日だったので、宿の貸し切り風呂にのんびり浸かって、部屋で軽く乾杯をして眠りについた。
ちなみに、宿自体は小綺麗だったんだけど、時期的なものもあってか部屋にカメムシが大量発生。笑
私も夫も虫は平気だから淡々と駆除していたけど、宿の人も「ああ、いますよね(苦笑)」って感じで、建物は古いし山の中だし仕方ないよなと思いつつも、こりゃ都会の方や虫が苦手な方はしんどいだろうな、と。
よく田舎の宿の口コミとかに「カメムシいて最悪」「カメムシどうにかして」ってのを見かけていて、もちろんレビューは☆1つとかになっているんだけど、私はこれまで経験したことが無かったんだよね。
私は「古い宿・田舎の宿に泊まる」ということは、ある程度そこの環境や自然もこみで受け入れる覚悟だし、大騒ぎするほど虫も嫌いじゃないんだけど、それでも部屋にいると「うおぉ…」となるから、まあ発狂するほど虫が苦手な人が憤慨する気持ちもわからなくはないな、と。
でも、だったらすきま風の吹かないような鉄筋造りで、窓を開けなくても空調完璧で、虫が多くないような立地の宿を選ぶようにした方がいいよ、とも思った。
ある程度の対策は宿側にもしてもらえたらありがたいけど、なんつーか、自ら山奥に行って「虫がー!」とか、歴史的な古い木造の宿に「設備がー!!」って言っているのは、なんかどうしたもんかねと思う節もある。
どうしても気になる人は、しっかりレビュー読んだり失礼にならない程度に宿にお伺いするというアクションを起こすのがいいかもね。
ただし、カメムシのお話については、あくまで私の経験で、この宿の、この部屋の、この時期のこの日に限ったことだし、肘折温泉自体はとても素敵な温泉地であることは強く言っておく。
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翌朝は、早起きして朝市へ。
肘折温泉といえば、で有名なのがこの朝市。
毎日5時半(冬場は6時?)から7時頃に開かれているという朝市には、地元のお母さんたちが、その時期の野菜や山の恵み、手作りのごはんや漬物、おかずなんかを並べて、直接売ってくれる。
これは当時文化の名残で、長く温泉に滞在する人たちが、お米さえ持ってくれば、ここでごはんのお供や新鮮な食材を毎日買い出しできるというシステム。
今では観光客がお土産を買う場にもなっているけど、なかには長期滞在している人もいるようで、この日も買い物しながら、年配のご夫婦の奥さまが「私、戻って卵茹でているから、あなたお漬物買ってきておいてね」と旦那さまに声をかけているのが聞こえた。
夫もたまたまその会話を聞いていたらしく、宿に戻ってから「あれ、すごくよかったよねえ」とほっこりさせてもらった。
そして今回の戦利品。
左から天然きのこのおこわ、笹巻、手前はかりんとう饅頭、そして栗ご飯。
買っている時は気付かなかったけど、見事に炭水化物のオンパレードになってしまった。
朝ごはんを兼ねた買い物とはいえ、散々迷ったお漬物とかしそ巻とかも買えばよかったかなと思うくらいの穀物一強感。
ただし、全部めーちゃくちゃ美味しかった!!!!
笹巻は、中に蒸したもち米が詰まっているんだけど、笹の香りがほのかにして、これだけでも十分おいしい。
一緒についてくるきな粉は甘いので、これをつけるとまさにきな粉餅。おやつ感アップ。
おこわと栗ご飯は、どちらも甲乙つけがたい美味しさで「炭水化物ばっかり…」と思ったくせに、美味しすぎてペロリだった。
そして、かりんとう饅頭は店舗で買った。
肘折温泉の商店は、夜閉まるのが早い分、朝市に合わせてだいたい7時前後から開いていて、各店舗でお買い物を楽しむことが出来る。
このかりんとう饅頭、外はカリカリで中はしっとりとしたこしあんが詰まっていて、べらぼうに美味しかった。
1個から買えるので、1人旅にもおすすめ。
朝だと、ホカホカの蒸したてがいただけるのも嬉しい。
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朝ごはんをいただいてから、これまた朝散歩。散歩大好き。
とても気持ちのいい朝で、源泉の方に歩くと、肌寒い空気の中に湯気がもくもくと上がっていて、温泉が流れ込む川も独特の色に濁りながらゴウゴウと流れていて気持ちよかった。
朝市の途中で注文していた、これまた名物のほていまんじゅうは、蒸したてを部屋に届けてくれた。
こちらは、1つだけ2人で味見して、お持ち帰り土産に。
最後に朝風呂をさっと浴びて、身支度をして早めのチェックアウト。
肘折温泉の玄関となっている大きな橋・肘折希望大橋を上がって、肘折温泉郷を見下ろす。
滞在時間こそ短かったけれど、行って良かったなあ。
まさに山の中の秘湯で、人々によって紡がれてきた歴史を感じる温泉地だった。
こういう歴史的な各地の名湯があとどれだけ続いていくのか、なんとも言い難い現状があるのも確かだけれど、地元も含め、出来る限り温泉文化を後世に残していけたらなと思うのでした。
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