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鳩と遊ぶ私を見つけてくれたから

子どもの頃、おそらく4.5歳くらいだったろうか。母と電車で出かけた先で、鳩を追いかけて迷子になったことがある。

母が少し目を離したすきに、私は駅の外に出て行き、広場に集まっている鳩と追いかけたり話しかけたりして遊んでいた。
もちろん本人は、母から離れたつもりも迷子になったつもりもなく、ただそこに鳩を見つけたから近づいていったというだけだった。

娘がいないことに気付いた母は、一瞬で肝を冷やし、あちこち駆け回り必死になって顔を青くしながら探し回ったらしいが、ようやく見つけた私が呑気に鳩と遊んでいる様子は、安心というより「こんなに心配したのにっ!」という怒りを与えたという。
うん、わかる。

私は、母がせっかく朝綺麗に整えた髪を振り乱し、肩で息をしながら怖い顔で𠮟りつけてくる意味がいまいちわからず「鳩で遊んでいただけじゃん」と思ったことを大人になった今も覚えている。
本当、子ども(私)って、ねえ。困ったもんだよね。笑

でもあれはただただ幸運だっただけで、時と場所、さまざまなタイミングが違えば、悲惨な事件に巻き込まれていたかもしれない。
あの時の母の気持ちを思うと、今は本当に申し訳ない気持ちが爆発しそうになる。

この時のことを鳩を見かけるたびちょくちょく思い出していたのだけど、そういえば最近、鳩を見る機会が少なくなったことに気付いた。
前は、公園か駅前には飼われているかと思うほど鳩がいたものだけど、最近はいろいろな対策が行われているのか昔より鳩を見かける頻度が少なくなった気がする。
そして同時に私も、鳩を見つける目を失いつつあるのだろう。

それが良いか悪いかは別の話として、あの時、必死になって私を見つけてくれた母がいたからこそ、私はここまで無事に生きてこられた。

そして、母に限らず多くの人のそんな日常の1コマ的行動のおかげで、私は今日まで生きてこられている。
それを忘れず、感謝できる人でありたい。

今日の晩ごはん

  • ごはん

  • 手羽元のあっさり煮(白菜、ネギ、椎茸)

  • はんぺん焼き

  • 昨日のきんぴら

  • りんご

手羽元のは、煮物というよりほぼお鍋。
梅酢をベースにしたタレで限りなくさっぱりいただく。

はんぺんは、青のりを絡めて磯辺焼き風に焼いて。
ふわふわの食感が楽しい。

食後にりんごを食べると口の中が爽やかになってとても好き。



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