#8 激ウマ鶏肉飯(ジーロウファン)三昧の日帰り嘉義旅
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台湾料理といえば、絶対にと言い切れるほど挙がるのがルーロー飯。一般的な食堂から専門店まで、あらゆるところで気軽に食べられる台湾フードの代表格だ。
甘じょっぱく煮込まれたトロトロの豚肉そぼろを、タレごとごはんにかけた料理で、私も今のところ台湾に行くたび必ず食べるくらい好き。
シンプルに思えて、店ごとに豚肉の大きさや脂加減、柔らかさ、タレの味や八角の効き具合などが違うので、それを楽しむ人も少なくないと思う。
でも、以前から私は大人気のルーロー飯より、鶏肉を乗せた鶏肉飯(ジーロー飯)の方が好きかもなあ~と思っていた。
そして、この鶏肉飯は特に南部で食べられているらしく、発祥は台南市の上にある嘉義市というところらしい。
というわけで、日帰り嘉義市・鶏肉飯食べまくりツアーを決行!
台鉄台南駅から自強号で片道約40分。相変わらず今日も晴れ。
①友忠火鶏肉飯
最初は駅の西側にあるお店へ。開店直後だったため、お客さんは私1人だったけど、優しく迎えてもらった。
奥のテーブルの上には鶏肉が。ツヤツヤ。美味しそう。
ちなみに、「鶏肉飯」は一般的にニワトリ、「火鶏肉飯」は七面鳥が使われているらしいんだけど、私は七面鳥をクリスマスの丸焼き的なのでしか食べたことが無いので、実際どうだったのかというのは正直わからない…
ニワトリはさばいたことがあるので、机に置かれていたのはニワトリとも違うなと感じたけど、正直わからない…
日本語は通じないけれど記入式の注文票があるので難なくオーダー。
朝イチのごはんだったし、温かいこれが汁物も欲しいなと中身もわからず頼んだら海苔と溶き卵のスープだった。そしてこれが超絶美味しかった。
さて、写真だと、割いた胸肉もしくはササミのように見えるかもしれない。実際、パサパサに見えた。
ところがどっこい、とびきりしっとりジューシー!
ルーロー飯でイメージするような濃い味ではなく、塩ベースの、かといって塩辛さはない柔らかみのある味で、噛めば噛むほど肉汁と共に旨味が出てくる。
鶏を炊いた汁や鶏油や揚げエシャロットもバランスよく効いていて、とにかくこの見た目からは想像できない完成度の高さ。
これまで2回くらい食べた鶏肉飯とは明らかに違う。
これが、七面鳥ってことなのか?
嘉義は結局どこで食べても美味しいと聞いたことがあるけど、これはあながち間違っていないかも…と思えた美味しさでした。
②閣再来火鶏肉飯
ここも割と開店後すぐだったけど、ローカルの人たちが数人座っていて、テイクアウトにも何人か並んでいた。
ここも注文票があるので問題なし。
頼んだのは、火鶏肉飯とカキのスープ。
台湾って、カキが安いんだよね。
全体的に小ぶりだけど、本当、そこら辺の貝かなってくらいザラザラ使う。カキ好き大歓喜。
ここはさっきのとこより鶏肉が細かめ。量も少なめ。でも、肉質がむっちりしていて、こんなにもお肉の食感に違いが出るかねとびっくりした。
タレは甘め。味の加減が素晴らしくて、物足りなさもなく、美味しく食べられた。すごい。
そして、カキもプリンップリン。これまた針ショウガ。
後回しにされがちかもしれないけど、台湾ってスープ類がめちゃくちゃ美味しい印象。
どんな食堂でも結構繊細な味付けをしていることが多くて、出汁の旨味を存分に感じられるから、日本人も絶対楽しめると思うんだよなあ。
③文化火鶏肉飯
交通機関を使えばあっという間だけど、それだとお腹もすかないし楽しくないので、1時間くらい街歩き。
3軒目は、ごはんのみ。ここは鶏肉がややサイコロ状にカットされてる。エシャロット多め。
ここは鶏肉が小さめだからかジューシーさがあまり感じられず、タレもこれまでの2つと比べるとややぼんやりしていた印象。
でも、店内はローカルでギュウギュウだったので、好きな人やリピーターは多いのだと思う。
④民主火鶏肉飯
ここは、お昼もかなりピーク時というタイミングでかなり混雑していた。
それでも回転が速いので、並ぶということもなく、店の外で待っていたら店員さんが呼んでくれてすぐに入れた。
ちょっと肉ばかりでオイリーになっていたので、野菜でも食べようかと副菜のメニューを見たら、冷やしキクラゲなるものが。何それ。気になる!
そんで出てきたのがこれ。
台湾で食べるキクラゲって、たまにものすごくでっかいのがあるんだけど、これもそうだった。茹でたのを冷やしたのかな~。
キンキンに冷えたプリプリのキクラゲをひと口大にカットしたものに、濃いめの甘辛味噌みたいなチリソースみたいなタレがドテッと乗っかっている。
そして、これが美味しかった。とにかくさっぱり!プリプリ!
これは日本で手に入る乾燥キクラゲには出せない食感だ。
たまにスーパーで出回る生キクラゲなら出来るかな~。これは食べられるならまた食べたい!
ただし、このソースは苦手だった。笑
肝心の火鶏肉飯というと、鶏肉は細かめのダイスカット。
さらにエシャロットも見てわかるくらい焦がしが効いていて、明らかに今までと様子が違う。
しっかり目の味付けと多めの鶏油に、焦げがいいアクセントになっていて、繊細というよりはわかりやすく美味しい味だった。
「美味しい!」と感じられるのは、ここが1番かもな。
立地とか違う条件もあるかもしれないけど、実際、店内にも若者や国内観光客っぽい人が多かったので、ウケの良い味なのかもしれない。
というわけで、これにてお腹が限界を迎えたので、これにて終了。
結論としては、基本的にどこで食べてもある程度はちゃんと美味しいけど、さらに好みを探そうと思うと結構違いはある、という感じかな。
いや、これルーロー飯じゃんね。
でもルーロー飯は普及しすぎているからかなんなのか、美味しいか…?みたいなのもあるにはある。
ちなみに嘉義の街中は、ザ地方都市という感じで、メインストリートっぽい場所にはチェーン店とローカル店が混在し、裏通りには昔ながらの商店がずらりと並んでいた。
都会的ではないけれど、栄えていないということではなく、その街にとって心地の良い熱量で営まれているという印象。
時々ちいさな市場のようなものもあり、そこに暮らす人々の活気はしっかり感じられた。
うん。来てよかった。
帰りも自強号に乗ったけど、どうやら最新の型だったっぽくて、台南に来る時に乗った台湾の新幹線よりめちゃくちゃ綺麗で、席も足のスペースもかなり広かった。
日本は、交通機関の運賃が諸外国に比べてかなり割高だけど、その分清潔感や正確さ、安全性、サービスなどでカバーしている雰囲気があったけど、これもそのうち抜かれる、もしくは抜かれている部分もあるかもなあ、と。
ただし、トイレだけは、今でもダントツで世界一だと思う。
それだけは、譲れない。
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