note小説 三十路のオレ、がん患者 第19回 また入院
抗がん剤を始める時は副作用の経過を見る為に入院を1週間ほどする。
4月に手術して一安心だったが、また入院する事になり、うんざりした感じは否定できない。
いや、うんざりしてる。
3月の緊急入院、4月の手術の入院、そして今回の抗がん剤の為の入院。
イヤにならない方がおかしい。
また今回も歩きで病院へ行った。
一応、入院するのはこれきりで2回目以降の投与は通院となる。
オレの場合、Xelox療法と言われている治療法になる。
3週間に1回の点滴と飲み薬の併用だ。
一般的な抗がん剤のイメージとして脱毛と吐き気がある。
しかし今回の治療は、可能性ゼロではないが、どちらかと言えば手足のしびれなど神経に関連した副作用が多いようだ。
また病棟に戻って来た。
ここから抜け出る事が一生できないような不安にかられる。
ガンになる大半の人はこう思うのではないだろうか。
何で自分が!?
オレも数えきれないほど心の中で絶叫している。
よほど身内にガン患者ばかりいて自分もなるなと身構えてない限りはオレと同じ気持ちだろうと思う。
抗がん剤と言えば、聞こえはいい。
しかし、実際は毒薬だ。
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