大豆栽培のメモ
私はなるべく冬の間に多くの資料を探しては読み込むという作業を繰り返しています。
今回は本来だと紙媒体に書き込む内容の、読み込んだ資料や私の頭の中の思考メモを敢えてnoteにまとめてみました。
アメリカの論文
大豆を栽培する上で参考になる文献は実は日本にはそれほど多くありません…。個人的には稲や麦ほどの栽培面積が無いからではないかと思っています。
となると、参考にすべきは海の向こうになります。
ということで、大豆栽培が盛んなアメリカのサイトを検索して論文を見つけてきました。
アメリカは遺伝子組み換え大豆が多くを占めていて、それらは私たちが作る大豆とは栽方法が大きく異なる可能性があるので、敢えてオーガニック系の論文をチョイス。
英語はチンプンカンプンなので(笑)、Google翻訳と辞書を駆使して読み込んでみました。
大豆の理想的な播種床は十分な水分と温度がある事。
出芽には子実重の50%の水分が必要で、そのためには充分な播種深度と土と種子の密着が必要。
スタートダッシュが良好だと太陽から雑草を覆い隠す事ができる。
雑草対策の方法のとしては、畝間だけ砕土を粗いままにするか、畝間を残渣物で覆うか、がある。
別のアプローチとしては、植える前に播種床を準備して雑草を発芽させてから再び耕す方法がある。
多くの大豆種子はその圃場で作られていないのでリゾビウムの接種が最適。
種子は殺菌剤で処理する事も可能だが、土壌が冷たくない限り、発芽率が85%を超えるとそれほど効果を感じない。
発芽率が低い種子に処理した場合は5〜10%の発芽率増加が見られる。
早期播種は通常、良い収量を得られますが、それは条件が整った場合に限られる。
気温が低いと発芽を遅らせ、根の病気や虫害が発生する。
良好な発芽と生育には55〜60℉(13〜16℃くらい?)の土壌と気温が必要。
発芽率は気温の上昇と比例する。
天候の予測は土壌状態と合わせて、もっとも考慮すべき項目。
ダイズ茎疫病
ダイズ茎疫病は弊社で悩んでいる病気の一つです。毎年少しずつ改善してきいますが、今年こそは克服したいところです(汗)
これは国内の研究論文を見つけたので、要約しておきます。
・ダイズ茎疫病…主に播種直後から生育初期にかけて被害を引き起こす。感染した株は主茎の地際部あるいは根部に水浸状の病斑を生じ、感染後約1週間程度で萎凋・枯死する。卵胞子は数年間生存できるため、長期にわたっての被害が見られる。
・対応薬剤…銅粉剤、マンゼブ、メタラキシル水和剤、ジメトモルフ銅水和剤、ジアゾファミド水和剤、アミスルブロム水和剤、ベンチアバリカルブイソプロピルなど
・カルシウム資材利用による発病低減効果…栽培初期において、カルシウム資材の高濃度施用によって、植物細胞壁または植物体中のカルシウムイオン濃度が上昇する。菌が植物体内に侵入する際に産生する細胞壁分解酵素はカルシウムイオンによって強力に阻害される可能性がある。低濃度施用では、ペクチンのカルシウムイオンによる架橋が密になることで菌糸侵入が阻害されると考えられる。
また、土壌pHを6以上に矯正することで生育初期の発生が低下する。亜リン酸の施用も発生抑制に効果がある。
メモ
兎にも角にも弊社の課題は「茎疫病」
対策としては
・生育のスタートダッシュをより良く
・カルシウム資材の適宜施用
亜リン酸については、投下窒素量を減らす予定なので早期に生殖成長に切り替わってしまうリスクがあるので少し避けたいところ。生育初期はカルシウム資材でできるだけ引っ張る。
pHは土壌分析結果からは問題無し。
農薬は土壌中の病原菌密度が濃いので予防剤からの施用は必須。
スタートダッシュのためには、適期播種と適度な砕土。
砕土はアッパーまでやると過砕土と思われるのでパワーハロー仕上げ。ただ、土壌水分によっては砕土不足のリスクも潜在的にあるので、水分チェックからのパワーハローが絶対。
秋プラウの圃場は、スタブル→パワーハローでおおよそクリアしたい。
乾田直播後の圃場は、深耕スタブルとサブソイラをガッツリかけて透水性を優先したい。ノンプラウで稲藁が邪魔する可能性があるので要注意したい。臨機応変な作業変更を視野に入れる。スズメノカタビラの密度がかなり濃いので、セレクト乳剤、ホーネスト乳剤を撃ち損なわないように注意。
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