就職面接で病気のことは伝えるべき?専門家でも意見が真っ二つ!
先日「難病患者就労セミナー 治療を受けながら安心して働き続けるために」に参加させていただきました。
ツイッターで、セミナーで知ったことを呟きますと発信をさせていただいたのですが、どうやら私には限られた字数でまとめることが難しかったので、試行錯誤しながらnoteでまとめていきます。
当日は、労働者・企業から実際にあった相談事例を元に、社労士の方がコメント・質疑応答する形でお話が進みました。
まずはこちらの質問から。
”就職の面接の際に病気のことは伝えた方が良いのでしょうか。伝えずに入社し、もしわかったら解雇の理由になるのでしょうか。入社時に伝えないのは違法なのでしょうか。面接で聞かれた場合と聞かれなかった場合の対応方法を知りたいです。”
これはとっても悩まれている方・もしくは悩まれたことのある方が多いのではないでしょうか。
社労士さんの回答は「伝えないことは違法ではない。ただし、専門家によっても回答が異なる白黒つけづらい問題。」でした。
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(以下、お聞きしたことの要約です。)
そもそも、合理的な理由なく、プライベートに入り込みすぎる質問はしてはいけないというルールがあるとのこと(就職差別につながりかねないという理由から)。
ただし、高所作業を伴う業務において、会社側は安全配慮の観点から、貧血持ちではないかなど確認することは必須になります。
もし、どうしても病気のことを確認しなければならない、という企業があったとして、面接官側(企業側)に何かアドバイスをするのであれば、聞く会社にも配慮が必要であり、どういう理由でこの質問をするのか明示する必要があると伝える、と社労士さんはおっしゃられていました。
しかし、今回お話くださった社労士さんではありませんが、
社労士さんの中には「病気であることがわかった時に解雇事由になりうる」と考える方もいらっしゃるようです。
両者の根拠は解雇に関する以下の法律によります。
”第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。”
完全に嘘をついて、業務に必要とされる資格を持っていないのに持っている、と言うことは解雇事由になりうる、との判断ですが、「病気だから働けない」は社会通念上相当である、とは捉えづらいと社労士さんはお話なさっていました。
また、”求職者側が会社に知っておいて欲しい、という場合はどうするか?”という質問に対しては、いきなり病名を伝えても分かりづらいので、「持病があって月1回通院しています」という言い回しの方が良いのかも、との回答でした。
(要約ここまで)
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この「社会通念上相当」という言葉、解釈が如何様にも取れてしまう言葉だな、と感じました。
個人的には、プライベートに入り込みすぎる質問・就職差別につながる恐れのある質問の中に、病気のことが当てはまるのかどうかが、線引きが難しいものだと感じましたし、
(①同じ病気でも、病状によって仕事に影響を及ぼすかどうか、
配慮が必要かどうかは人もよってもその時の体調によっても異なる上、
②そもそも病気がある=働けないと考えること自体が悪気はないにしても誤解なのではと思うことから)
まとめるに当たって、気になる事を調べながら書いたのですが、専門家の方々でも、病気のことが解雇事由になる・ならないとの解釈が分かれることが不安になりました。
私だったら、後々のトラブル(言った・言わない、なんで言ってくれなかったのか)を避けるためにも、自分自身が言わないことによる後ろめたい思いを感じずに済むようにするためにも、履歴書等に「持病があり、月に●回通院しています。その際は終日休暇をいただきたく存じます。」などと記載して、その上で面接でも自分から話題に出すだろうと思います。
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(1月29日追記)
面接時にどう伝えるか、そもそも伝えるかどうか、という観点でリノさんからもご意見いただいたのでご本人様の許可を得て掲載します。
面接官によって、言う・言わないを見極められるのも、多くの方の気持ちを代弁していると思ったこと、様々な考え方があることを共有させていただきたく追記しました。
(追記ここまで)
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この質問に関するお話の終わりに、社労士さんは
「お互いが全て知った上で入社するのは理想ですよね。でもこれってお付き合いと一緒であって、会社も自社の良いところを知って欲しいし見せたいし、求職者側も、自分の良いところこそ知って欲しいと思いがちであり、双方が全部知った上で入社するというのは難しいことではないでしょうか。」
とおっしゃられていました。
言い得て妙だなと思い、また、ここには反映しきれない言葉の端々からも、労働者想いの素敵な方だと思ったと同時に、それぞれの人の過去の経験によっても解釈が分かれる問題だとも感じました。
就職活動時に、病気のことを<言う・言わない>の最終的な判断は自分自身が行うことになりますが、言うべき・言う必要はないの2者それぞれの言い分を知った上でご判断いただければなと思いました。
なるべく根拠を示しながら、文章に起こしたつもりですが、何かご不明点やご指摘等ございましたら、間違った情報でなく、正しい情報を発信したいとの思いから、何なりとおっしゃっていただければ幸いです。
次回は「通院配慮と働き方」についてまとめます。
ご一読いただき、ありがとうございました。
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