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大雨災害の湯河原町の対応について
熱海伊豆山の土砂崩れによる甚大な被害の裏で、その隣の湯河原町でも人的被害はなかったものの土砂崩れなどの被害がありました。先日委員会で議員に対して説明がありましたので、私土屋の視点も入れて皆様にご報告をしたいと思います。
湯河原町の雨量について
今回の大雨の特徴は、突発的にたくさんの大雨が短時間で降ったことにより、排水機能が間に合わなかった道や、山などから生活区域への土砂や水が流れたことです。
湯河原町側からの説明でも「誰も予想ができない状況だった」という発言があり、その自然の脅威に翻弄された災害だったと言えると思います。
湯河原町の対応について
湯河原町の対応について、警戒レベル等の経過の説明がありましたので解説いたします。
まず、町民の方から「防災アプリなどからは沢山の警戒の知らせが来ていた時点で湯河原町からは避難指示も避難所開設もしていなかった。判断は正しかったのか?」というご意見をいただきました。まずは事実の整理ですが、
●警戒レベルの発表→気象庁判断 ●避難指示→湯河原町判断
となっており、必ずしも気象庁から警戒レベルの発表があったからといってすぐに避難指示が出されるわけではなく、湯河原町は7月1日時点から12回にわたる対策会議を開き、その都度状況を見ながら判断をした上で避難指示を出すかを決めていたとのことです。(いつ避難指示が出たのかについては画像参照)
土屋の指摘〜警戒レベル3(高齢者等避難)を飛び越えて警戒レベル4(避難指示)が出たのはなぜか?〜
と、ここで私からの疑問と意見がありましたので委員会の席で指摘させていただきました。
「避難指示が警戒レベル3を飛び越えて警戒レベル4の時点で出ているのは何故か?」という疑問です。本来であれば警戒レベルは段階を経て出されるものです。全町に対して避難指示を出す前に、避難に時間がかかる高齢者等の避難、という段階があるはずなのに、湯河原町は一部の危険区域に対して個別対応にて避難指示を出した後、高齢者等避難指示を出さずに全町避難指示が出ているのです。
この表で言うと、警戒レベル3が出ずにいきなり警戒レベル4が出ている状態。これでは避難に時間がかかる高齢者等が避難をする段階がないのです。一体これは何故なのか?
この質問に対して町は「今回の様な急激な大雨は誰も予想ができず、今回は警戒レベルを飛び越えてしまった。また、夜間の高齢者等の避難は危険であるため、夜中は避難指示をださずにいたので結果、タイミングとして朝方に全町での避難指示となった」とのこと。通常ですと勿論、警戒レベル3が出てから警戒レベル4が出されます。うーん。
土屋の指摘〜避難所開設のタイミングは正しかったのか?〜
またもうひとつの指摘、湯河原町の避難所開設の時間が表になっておりますが、
最初に避難所が開設された宮下と宮上については、その地域で土砂崩れが発生したため、近隣の住民を受け入れる為に急遽の避難所開設となっています。これは夜中だった事もあり、基本的には夜中の避難指示を出さないという湯河原町の見解ですので、この様な段階での避難所開設となっているとのことです。
しかしながら注目をして欲しいのは開設をしたものの、避難者が0人のところがあり、防災コミュニティセンターに人数が集中しております。町にはこの理由はどう分析しているのか?とお聞きすると「新しいからであろう」という見解。
私からは「避難するにもやはり新しく綺麗なところが良い方が多い、車での避難者が多い」という点があるのではと発言した上で、早めの段階で、防災コミュニティセンターだけでも開設した方が良いのでは?と提言させていただきました。
土屋の見解〜高齢者の多い湯河原町での、高齢者の避難について〜
今回は警戒レベル3を飛び越えて全町避難指示が出てしまったが、通常であれば警戒レベル3の段階が大切なのが高齢者が多い湯河原町の課題であるはず。
通常の手続きであれば、高齢者等の避難指示の際は高齢者施設と連携を取るなど何か対策はしているのか?と聞くと、湯河原町としてはお知らせをしているだけで、そういった事も今後考えていかなければならないという答弁。
これは高齢化の進む日本全体の課題ではあると思いますが、早め早めの避難指示を出すことや、高齢者施設などと連携をとっていくことが必要なのでは、というのが私土屋の見解です。(湯河原町も前向きな答弁はしています)
今回の災害復興費用に関して(ふるさと納税の支援金は何に使われるのか?)
湯河原町では十数カ所の被害が出ており、それはまだ完全に復興していない状態です。土砂崩れの影響で家に住めなくなり、未だに別のところへ避難されている方もいらっしゃるのを忘れてはいけません。その方々の生活が落ち着くまで行政の支援が滞らない事を確認し、何かできることがあればお手伝いさせていただこうと思っています。
さて、この復興にかかる費用の概算も出ておりますのでお知らせいたします。(確定ではありません)
おおよそ6000万円という概算費用です。これから国や県への災害に係る補助制度などの申請をしていくとのことですが、たくさんの費用がかかります。
現在こちらのふるさと納税での災害支援を呼びかけておりますが、こちらの支援金はこの6000万かかる費用の一部に使用させていただくということです。
湯河原町から熱海への支援は?
今回の災害が起こってから「熱海への支援、何かできないの?」というたくさんの湯河原町民からのお声をいただきました。お隣の熱海、湯河原町の住民としては他人事ではない、という気持ちが皆さんから伝わってきました。
ボランティアや、断水地区への支援など、湯河原町から働きかけている状態ですが、熱海からの要請は今のところない状態だそうです。因みに、災害発生時から町として熱海市へ以下の様な支援をしたという事です。
尚、ボランティアに関しては静岡県東部地域の方のみ受け入れており、且つ、3600名の登録があり現在は募集を打ち切っているそうです。
湯河原から熱海への働きかけはしているという事で、熱海の要請待ちという状態という事は確認できましたので安心しました。お隣同士、県を跨ぐとしても、こういった災害で助け合い、連携をする事が大切ですね。
防災は普段からの心構えが大切
月並みになってしまうのですが、これにつきます。過去の災害などを分析すると、ほぼハザードマップ通りに被害が出ているというくらいハザードマップの精度は高いそうです。自分の住んでいる地域のハザードマップを見たことがない方が多い様なので、是非湯河原の皆様には防災マップを必ず確認していただきたいと思います。(鍛冶屋や宮上など山間の地域とか、殆どが土砂災害警戒地域だったりします。)
コレみたことありますか?各自治会などで配布しています。是非確認してみてください。サイトはこちらです。
災害発生時に議員ができる事は殆どない
最後に、今回、災害発生時に議員ができる事は殆どなく、正確な情報を発信するくらいである、というなんともヤキモキした気分を味わいました。
実際に私が議会事務局へ電話をして、一年生議員として初歩的なことをお尋ねするが、何かすべき事はないのか、何ができるのか、と尋ねたところ、こういった災害の時は議員は下手に動くな、というのが鉄則らしいです。(実際他の地域の先輩議員さんにも皆さんに同じことを言われました)現場を混乱させる事に繋がるからです。
それよりも、災害が落ち着いてからの見直しや普段からの防災の働きかけが大事で、災害が起こったことに対して教訓や学びをこれからの防災に生かすことが大切なのだと理解しました。
町民の皆様も、何かお気づきの点がありましたらお聞かせください。