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小学生と海へ、中高生と探究を、そして能登…な一週間

島根大学の社会教育主事講習でゼミをひとつ担当することになりました。ゼミを受け持つなんてどきどきです。本講習を修了すると「社会教育士」を名乗れるようになり、私も3年前に履修しました。なんで島根なの?とよく聞かれますが、この業界で島根は先進地で、かれこれ10年ほどせっせと東北から通っています。

7月13日、14日と松江で開講式に臨み、15日、地域・教育魅力化プラットフォームで打ち合わせをして、翌16日気仙沼に帰りました。

小学生と海へ

17日は朝から気仙沼・唐桑半島の滝浜で唐桑小学校による「海に親しむ会」がありました。名前の印象と異なり、なかなか刺激的な授業。全校生徒150名が一斉に浜に降りて行って、海でじゃぶじゃぶ遊ぶという授業。タブー行為であるはずの「たづぼんこ」(飛び込み行為)からウニ獲り体験まで、安全な環境かつもろもろ遵守で実現させるという、奇跡的な授業なんです。

もともと合併前の中井小学校で4年前にクレイジーな校長先生が「コロナ禍でプールがダメなら海に行くぞ」と言い出したことが始まり。
過去のコラム参照:「校長先生がコロナ禍でタブーをクリアするとき

今春の閉校で途絶えてしまうことを恐れていましたが、先生たちの尽力があり、新生・唐桑小学校に引き継がれました。海洋教育が盛んな気仙沼の小中学校ですが、こんな授業は他にありません。浜の漁師をはじめ地域の協力者が「やっぱり浜っておもしろいぞ」そう伝えたいと願い、ちょっとずつ力を出し合った結果、一日だけ浜が子どもで埋め尽くされるこの光景が、私は好きです。

中高生と探究を

18日、松岩中学校にて今年度の「プロジェクト探究部」がスタート。有志の中学生が放課後空き教室に集まって一人ひとりのテーマを探究します。

2年生の男子が2人来まして。どんなことを探究してみたいの?と尋ねると「家族が漁業に携わってて。気仙沼の水産業が、まちの行事…例えば観光ツアーとかスポーツ大会とか美術とかにどう関わってるのか気になってます」おもしろいところに目をつけたねー!特にどうして「美術」が出てきたの?私たちコーディネーターはアドバイスよりも問いかける専門家です。

付せんを使って、さらに生徒どうしでお互いテーマを深ぼる問いを重ねていきます。「例えばどんな水産業を活かす?」「最終的なゴールはある?」などコーディネーター顔負けのクリティカルな問いが中学生から飛び出し、驚嘆させられました。

19日は気仙沼高校3年生の総合探究最終発表会に出席。島根から気仙沼、小から中高まで、今取り組んでいることがぎゅっと凝縮した一週間でした。

能登の高校生がやってきます

最後に。18日の夜、民宿「唐桑御殿つなかん」の女将と打ち合わせ。8月4日から、いよいよ能登の高校生たちが2泊3日で気仙沼にやってきます。能登の高校生たちに気仙沼の復興のストーリーを見て感じてもらおう!という想いで走り出したこのプロジェクト。参加者は11名、なんと希望者は定員を超え満員御礼。

気仙沼出身の大学生らと準備を進めており、詳細はまた後日ブログで書きます。宿泊先はこのつなかん。大津波から復活を遂げたこの宿で、このまちで、能登で被災した高校生たちは何を感じるでしょう。

能登の高校生のための気仙沼キャンプ

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