区議会で学童クラブのアレルギー対応について一般質問しました!
東京都北区議会議員の加藤みきです。
2025年2月25日、令和7年第1回北区議会定例会にて個人質問で登壇しました!
今回は学童クラブのアレルギー対応について質問しました!
議事録を見た限り、学童おやつのアレルギー対応について取り上げたのは私が初めてではないかと思います。
私自身がアレルギー児の保護者として学童におやつを届けていた経験や、区民相談、当事者コミュニティで伺ったことから提案を作りました。
原稿と答弁を書き残しますので、ぜひご覧ください!
学童クラブでのアレルギー対応について伺います。
公益財団法人・日本学校保健会が2022年に実施した調査によると、小学生の6.1%、およそ16人に1人に食物アレルギーがあります。学童クラブの定員は40~50名であることから1教室に2~3名の食物アレルギー児がいると推察されます。
アレルギー児に対する食事の提供について参考になるのが、文部科学省が発行する学校給食におけるアレルギー対応ガイドラインです。
対応レベル1~4に分類されており北区ではレベル1の原材料の表示、レベル2の弁当対応、レベル3の除去食対応を、学校と児童の状況に合わせて実施しています。
北区の学童クラブでは、食物アレルギーのある児童には学童からおやつを提供せず、保護者が準備したものを預かり、提供する対応を取っています。その分、月1500円のおやつ代は免除されています。
食材を調理をしている給食と比較し、学童で提供するおやつは個包装のため原材料の表示があり給食に比べるとずっとアレルギー事故が起きにくいはずです。しかし給食のガイドラインに照らすと学校より1段階低いレベル2の弁当対応に近いのが現状です。
ここで、私自身が学童におやつを届けていた経験があるため、持参する場合の具体例をご紹介します。
特に持参するおやつの指定はなく、クッキーやおせんべい、ゼリーなどの個包装のものを3~4個ほど用意し、このような名前を書いたポリ袋いれ、更に一週間分をまとめた袋に入れて、学童に持参します。
私は月曜日の朝、学童職員が出勤する9時半以降に届けていました。夕方に届けることも考えましたが、下の子のお迎えなどで慌ただしく、午前中に対応していました。
学童では誕生日会など特別メニューが提供されたり、夏場にはアイスやジュースが出ることもあります。その際は特別感のある似たものを準備して届けていました。この対応が区の規定と異なる場合は、ご指摘いただければと思います。
正直いって、このような対応は保護者の負担が大きく、家族の体調不良や仕事の都合で毎週欠かさずに届けられないこともあります。実際、私も学童の営業時間中に届けることができず、やむなくランドセルの中にお菓子を隠して、放課後に子どもから学童職員に手渡したり、特別メニューが準備できずに子どもに申し訳ない思いをした経験があります。
そこで質問します。食物アレルギー児にも、学童クラブからおやつを提供する仕組みの導入を検討していただきたいと考えますがいかがでしょうか。
また、その際、特定原材料の卵、牛製品、小麦、えび、かに、くるみ、落花生、そばの8品目、およびナッツ類・果物類を除去した『低アレルゲン』というメニューをご提案いたします。
特定原材料8品目の除去だけでも良いと考えられるかもしれません。
しかし特定原材料の落花生かクルミにアレルギーがある場合、ピスタチオやカシューナッツなど他のナッツ類のアレルギーがあることが多く、結局そちらの除去が確認できないと食べることはできません。
また未就学児の食物アレルギーの原因食材として有名なのは、卵、乳製品、小麦の3つです。しかし近年、小学生のナッツ類のアレルギー発症が増え、現在ではクルミは原因食材の第2位まであがっています。これは食の欧米化が原因と考えられています。
またりんご・もも・さくらんぼなどの果物類のアレルギーの発症も増加してます。これは花粉症との口腔アレルギー症候群が原因と考えられています。
果物そのものはおやつにあまり出ないと思いますが、グミやジュースなどに果汁が含まれている可能性があるため、りんごのアレルギー単独発症なのに、すべてのおやつが持参になるというような極端な事例もあるようです。
そしてナッツ類や果物類のアレルギーは治療によって改善しにくいとされており、今後も該当する児童の数が減ることは考えにくい状況です。
低アレルゲンメニューを提供しても、原因食材や症状の関係でそれでも持参対応が必要な方や、安全性の観点から持参を希望する方、メニューが口に合わない方もいることから、すべての児童のおやつを学童から提供するのは現実的ではありません。
しかし『低アレルゲン』という選択肢を設けることで、アレルギー児の半数以上は日々のおやつの持参が必要なくなるはずです。
学童クラブでの低アレルゲンメニューについて、ぜひ具体的な導入を検討頂きたく、運営上の課題として想定される点や、行政として対応可能な範囲について、ご見解をお聞かせください。
次に、学童クラブに関する質問のうち、食物アレルギー児へのおやつの提供について、お答えします。
食物アレルギーを持つ児童については、アレルギー事故防止の観点からも、保護者の方におやつの持参をお願いしているところです。
低アレルゲンおやつの学童クラブでの提供については、今後、安定的におやつが提供できる事業者の状況や、学童クラブの運用面での課題などについて調査・研究してまいります。
<加藤所感>
一見ゼロ回答に見えるかと思いますが、凄く可能性のある答弁だと私は感じました!
低アレルギーおやつに対応できない理由、それは学童の先生が成分を見逃してしまった際の事故のリスクを背負えないという点です。
また学童おやつは、各拠点それぞれが予算内で準備していますので、常に子どもに満足感のある低アレルゲンおやつが用意できるか心配な部分があります。「醤油せんべい、塩せんべい、のりせんべい、以上」という可能性があるのです。
そこで答弁にある「安定的におやつが提供できる事業者」というのは、生協や学童おやつの専門業者のことです。こういう業者は当たり前のようにアレルギー対応おやつのラインアップを持っています。
また、専門業者ならスーパーにある駄菓子やスナック菓子だけではなく、栄養や添加物などにも配慮のあるお菓子もありますので、学童クラブ運営指針にもある補食としての役割強化も期待できます。
食物アレルギー対応のためだけでなく、学童クラブの質の向上のために学童おやつ専門業者の調査研究はぜひ進めて頂きたい!
私も事業者を探してヒアリングしてみます!