知るほど楽しさに遭遇できる、 幸を呼び込む日本の文様
”幸せ”を祈り祝う心は、人が本質的にもっている感情です。
何か贈り物を選ぶとき、
ふと仕事の手を休めて窓の外に目をやるとき、
寺社で手を合わせるとき・・・
大切な人の顔を思い浮かべたり、社会に思いを巡らせて、
「今日も楽しく元気に過ごしているかな」
「誕生日、この1年も喜びに満ちた日々であってほしいな」
「早く穏やかな暮らしが戻りますように」
と心の中で祈ったり、願ったりします。
そんな、「幸せ」や「おめでたいこと」を求め、喜び、感謝し、
そのことを形にしたのが「吉祥文様」です。
日本には、この「吉祥文様」が沢山あります。
なにも、着物や帯の上だけにあるものではありません。
街の中にも、住まいの中にも、衣服にも、日常小物にもと色々なところで
使われているのです。
日本では、普段の暮らしの中に、
この吉祥を祈り、感謝する文様が沢山溶け込んでいます。
着物が普段着だった時代でも、現代でも、
日本の文様はモチーフとして、様々に生活に取り入れられ、愛でられています。
まさに「用と美」ですね!
とはいえ、皆が同じ服を着て、同じインテリアを選ぶ機会の多い現代では、
なかなか多様な文様を目にする機会も少なくなっています。
忙しく時短が求めらる中では、発見したり、愛でて感動するという
心や時間のゆとりも難しいかもしれません。
でも、コロナでリモートワークが求められるようになって、
自宅にいて、自分や家族と向き合う時間が長くなると、
価値観が大きく変わりつつあるように思います。
居心地の良さ、過ごす環境の快適さ、
手にするものは愛着を持てるものをなど、
他者評価ではなく、自分軸を大事にしたくなる。
丁寧に選んだり、自分の好きなものを知る機会にもなりそうです。
そんな時、日本古来のモチーフを知っていると、
「この柱って宝珠だったんだ!」、
「瓢箪の文様って、健康を祈っているんだー」
と、発見する喜びや、モチーフと意味を結び付けて和む楽しさがあります。
生活の中に美意識や楽しさ、祈りを取り込んできた日本文化の
魅力を再発見していきましょう♡
「瑞風 MIZUKAZE」主宰
加藤彩