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唯一無二のオムライス


先日アクシデントがあり
ちょっと落ち込んで帰宅したのだが
そんな私をみてなのか
それとも気が向いたからなのか
我が家の14歳男性が
夕食を振る舞ってくれた
彼は現在
学校に行かない選択をして
その上で自分の道を見極め歩んでいる

以前私は彼のことを
絶賛自分探し中と表したのだが
彼は現在に至る前にもしかしたら
自分が何者であるのかを知り
その上でその選択をしたのかもしれないと
水分を飛ばし
極上のトマトソース化されたケチャップを舐めながら
そう思った
落ち込んでいた私はその時
様々な思いが込み上げ
不覚にも涙してしまったのだが
そんな母の感傷などお構いなしに彼は
ただ淡々と鍋を洗い
自分のオムライスの出来栄えに
満足気だった

ちょうどその日の何日か前に
毎週の家庭訪問日があり
普段は遠慮してるのか顔を見せない副担任が
また昭和な小言を捲し立てていたのだが
彼がいかに健やかに
繊細な心を壊さず成長しているかなんて
わかり得ないだろうし
理解する度量は持ち合わせていないのだろう

学校が楽しくないと感じる彼のその気持ちに
不登校の責任が全てあるのだろうか
学生生活や
日々の授業を
いかに楽しく面白くするかということに
どれだけの先生が注力しているのだろう

人間対人間の関係性に
どれだけの先生が
重きを置いているのだろう

最も多感で自分という人間を形成していくこの時期に
理不尽な思いをすることが
この時代に必要だろうか

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