ケイティ奇奈子

歌舞伎町の女王様。

ケイティ奇奈子

歌舞伎町の女王様。

最近の記事

私の神様の髪はピンク色

小さい頃から音楽に囲まれて育った私。初めてのライブはまだ胎児だった頃に行った Judas Priest の日本公演。家ではレコードプレイヤーから流れるママの大好きなメタルに、コンポからパパのお気に入りの沖縄民謡が聴こえる。ジャンルに囚われることなく、とにかく色んな音楽を聴いて成長していました。音楽好きの家族であったものの、ピアノの習い事を受けることを断固拒否した私は楽譜を読むことはおろか挑戦した楽器という楽器を演奏できない子になっていきました。 宝探しで見つけた衝撃的なCD

    • クレイジーで、パンクで、最高なジェントルマンの足フェチ男

      私がルーちゃんこと踏まれルーちゃんに出会ったのは日本に帰国して日が浅く、女王様としてデビューするのも夢のまた夢(というより、そんなことが実現するかもしれないということさえ考えることができなかった)だった頃。Twitter(当時)で偶然ルーちゃんのアカウントを見つけた私は「なんじゃこりゃー!」と呆然唖然。日常のワンシーン、外で、いや、時や所構わず踏まれているルーちゃん。己のフェチを極めるとこうなるのか… とにかくぶっ飛んでる人が大好きな私は速急にルーちゃんと会う約束をこぎつけた

      • 「上条早樹ライブ活動26周年」にお邪魔して来ました!

        先日 MKスタジオで開催された「上条早樹ライブ活動26周年」イベントにお邪魔させて頂きました。私が大好きで尊敬している女王様であり史上最強、最高なパフォーマーの早樹さん。どんなショーが観れるのかとドキドキです。 早樹さんは勿論、他のパフォーマーの方々のラインアップがとても豪華。個人的にとても楽しませて頂いたのは栗鳥巣さんの演目、「下条早樹」。思わずゲラゲラ笑うと同時に「ヤバい…早樹さんの身のこなしや表情、完コピや…」と見入ってしまいました。オーガナイザーである風見蘭喜さんの

        • 指先の魔法

          ご年配の女性のネイルに綺麗なマニキュアが施されているのを見ると、つい、息を飲み込んでしまいます。そして、「私もいくつになってもそんな風に身だしなみに気を遣わなくては」と思わされるのです。思えばこんな風な考えを持ったのは子供の頃。従姉妹のお姉ちゃんの祖母は髪の毛をいつもバチっとセットしていて、爪先には真っ赤なマニキュアが塗られた形の整ったアクリルチップが装着されていたのです。 10代の頃は黒のマニキュアがなかなか手に入らず(今のようにドラッグストアで売られていなかったし、売ら

        私の神様の髪はピンク色

          関西へ弾丸遠征!

          母方の祖母が大阪の女、ママンも大阪の女なので子供の頃は毎年年末年始を大阪で過ごしていた私。大阪は人も優しいし、食べ物も美味しいし、あの大阪特有の煌びやかなケバケバしさも大好きです。京都も10代の頃から大好きで、修学旅行で初めて訪れた際には「夢が叶った!」と心を躍らせました。傀儡堂に所属しているということもあり、コロナ禍前には年に何度か京都へ出張することも。 今回は京都祇園BAR-BARA-the bizarre- の28周年をお祝いすべく、ちょっくら関西方面へ足を伸ばしまし

          関西へ弾丸遠征!

          KATiE KiNAKO 7th

          私が女王様としてデビューしたのは2017年の2月。 2015年の10月末に日本に帰国し、ちょこっとだけOLをしたり、緊縛のプライベートレッスンの通訳をさせて頂いたり、アダルトショップの店員になったり、SM関連の書籍やDVDの翻訳を担当させて頂いたり、いつに間にかフェティッシュ・SMバーのスタッフになっていたり。 どのお仕事よりも長く続けているのがこの「女王様」というお仕事です。 「好きなことを仕事にできた」ということ。その特権のありがたさや幸せを日々感じます。 デビュー

          SMクラブでの初めてのお客

          私は女王様としての初めてのお客さんをはっきりと覚えている。その人に使うべきプロナウン(人称代名詞)は何だろうと考えると、未だに困ってしまう。(英語で表現するとしたらジェンダーが「男」「女」に括られない「they/them」 を使うが、日本語だと何を使えばいいのか迷ってしまう)そしてその人と初めて会った時、その人は少し時代遅れでサイズも合っていないような男性服を身に纏った中年男性のように見えた。けれどもそれはその人の中身とマッチしたものではなかった。ある時その人は自認性が女性で

          SMクラブでの初めてのお客

          お姫様なんかになりたくない。

          それは幼稚園の頃。市販されているぬりえに飽きた私と家に遊びにきていたお友達たちのために母がオリジナルでプリントを作ってくれた。 「あなたがお姫様だったらどんなドレスを着たいか、描いてみよう!」 プリントにはお姫様のシルエットが描かれており、好きなように髪型、ドレス、アクセサリーを描き込むような仕様になっていた。子供の想像力を育むにはもってつけ、そしてディズニープリンセスに憧れる女の子たちにはぴったりなプリントだったと今でも思う。なのに、その時の私はこんなことを言ってのけたのだ

          お姫様なんかになりたくない。

          刺青の女

          「タトゥー、すごいですねぇ」 そんな風に声をかけられるようになってもう10年近くの歳月が経ちました。21歳の春、手首のワンポイントから始まった私のタトゥー・ジャーニーは気付けば右肩、両腕、両腿、脹脛、足首、頸、背中、指先へと進んでいます。アメリカで暮らしていた頃に始まり、サンフランシスコ、シアトル、オランダ、タイ、京都などの旅先でもお守り代わりや思い出として様々な彫り師さんに絵柄や気に入った言葉をこの身に刻んでもらっています。髪を下ろして長袖のシャツや厚手のストッキングを着用

          とある女王様の戯言。

          2024年。辰年。今年は私が歌舞伎町で女王様としてデビューして7年という、私の中ではある種、節目の年になります。アニバーサリーって言うのはなんだかイキっているというかダサいし、「節目」という言葉の方が私にしっくりときます。 そんな年、私はどんなことをしていこうか。去年より時より自分に問いかけていました。もちろん「女王様」という「仕事」は続けます。セッションはもちろん、ショーにメディア出演。今まで通りのお仕事に何かプラスαを加えてもいいのではないだろうか。そのプラスαとは何な

          とある女王様の戯言。

          自由になった時の君の姿

          「縛られてみたいんです。」 初めて会った頃のあの子はSM未経験者。緊張を解すためにお茶を一緒に飲んで話を聞いていると少しずつ体験したいコトを溢していく。風呂敷をといて縄を並べて行く。彼の身体にはどの長さが合うだろうか。どう縛っていけば安心して身体だけでなくマインドも預けてくれるのだろうか。色んな質問が私の頭を過ぎる。縄を解いて縄尻を摘む。半分に畳んだ縄を彼の身体にできるだけ丁寧に這わせる私の指先。 「どう?気持ちいい?」 思わず言葉数が少なくなりつつも、時折彼に声を掛ける。キ

          自由になった時の君の姿

          セッションの思い出

          傷みに耐えたいのはなんで? なんでわざわざ私のところに来たの? 知っているわ、答えを。 ご褒美のためでしょう? 食事の後のデザートのように。 鞭に打たれ ビクビクしながらも 立ち位置を変えずに。 だって分かっているものね ぶっ格好な立ち位置をとったら ご褒美なんてやらないわ。 私が躾けてきた君の姿に 恥をかかされたくないわ。 分かっているわよね? きちんとお利口さんだって 証明できたのならば ご褒美は待っているわよ。

          セッションの思い出

          愛おしさを感じさせてくれるマゾ

          「好きなタイプのマゾはどんなコですか?」 と聞かれると即答で 「好奇心が強い子です。」 と答えます。ここで私が言っている好奇心とは頭の中に閉じ込まれていない、心をオープンにした状態です。SMのプレイに好き、嫌い、得意、苦手があるのは当たり前。その中で今まで経験したことのないプレイや、もっと奥深くプレイを追求する心を持ったマゾが好きなのです。勘違いしていただきたくないのは苦手だったりNGなプレイを嫌々押し付けることではありません。 「(プレイ)をしたことがないけれど、一緒に経

          愛おしさを感じさせてくれるマゾ

          フェティシストがくれた「自信」

          貴方は自分の足を見た時、どんなことを思い浮かべたり、考えたりしますか? 「そんなことを急に言われても、特に…」 と答える人が多いことでしょう。 私も数年前に同じことを聞かれたら同じ反応をとっていたと思います。 しかし、それを変えてくれたのが足に対してフェチを持った方でした。私は足が身長や身体のサイズに対して小さいのがコンプレックスとまでは言えませんが、靴を買う時などに気になっていました。角質で踵がすぐガサガサになるのも気に入らず、あらゆるアイテムを使ってケアを続けていました

          フェティシストがくれた「自信」

          「衣」という名の武装

          普段セッションを行う時、私は私服でプレイをする傾向があります。理由はとてもシンプルで、「動きやすさ」や「リアル感」を重視しているからです。もちろんコスチュームを着てプレイを行う時だってあります。PVCのプレイスーツに編み上げのブーツ。全身レザーで指先にはレザーのグローブ。白衣を着て医療フェチ心を擽る格好をすることも。「衣装」はファンタジーの世界を作り上げるための武装であり、そのような空気を生むために最適な道具であるような気がします。 ならばなぜ私服でプレイするのか?と疑問に

          「衣」という名の武装

          留学生

          日本を去ったのは十八歳の初夏。 「留学」を言い訳に必要なものを次々とスーツケースと段ボールに詰め込んで、この国から逃げる準備をしていた。画材、スケッチブック、何年もため込んできたスクラップブックたち、日用品はもちろん、自分の身の回りに置いておきたいものを必死にかき集めていました。私が留学という道を選んだのは生まれ育った国にずっといて、視野がどんどん狭くなってきているような気がしたからでした。インターナショナルスクールに通い、色んな国籍や文化、バックグラウンドの人間と接し、友達