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KAMOME

お芝居に出させてもらえることになりました。

題材はあの「かもめ」です。


現代の東京にそっくりな家族がいたら?

今だったらどんな表現ができるのか?

という主催の方の素敵なアイデアと

私たち役者のちょっぴりのいたずら心でお届けする

今までにない「かもめ」を

普段の劇場とはまた違う場所に

是非見に来てください!


本音を言えば、そうやって素直に皆さんにお願いしたかったです。

今だってそう言いたい。

いや、言っちゃってますね。

でもなかなか、いつものように皆さんにお願いし難い状況でもあります。


「現代の」「今の」という言葉が1年前と全く変わってしまいました。


お芝居を見に来てくださる方たちも

今までと全然違う状況で、

去年までと同じ気持ちではお芝居を見ていられないって思う方だって

きっとたくさんいらっしゃる。

こんな時にお芝居にお誘いするのは

とてもとても辛い。

もどかしいです。


今芝居をしていいのか。

芝居をする意味とは。

私に何が届けられるのか。

多くの演劇界の先輩方や仲間と同様に私も日々頭を悩ませておりました。


先日とある演劇を配信で拝見しました。

可笑しくて可笑しくて笑っちゃうシーンばかりだったのに

気づいたらボロボロ泣いていました。

自分でもびっくりするくらい

私はそのお芝居に元気をもらったのです。


そうだった。

今までだって

こういう時に

お芝居を見て

映画を見て

音楽を聴いて

力をもらってきたのでした。

良い事なのかどうか、正解はわかりませんが

私はそれでちょっぴり腹が決まったのでした。


見てくださった方々の

明日生きるためのパワーの一滴になれるように

そのために今できることをするしかない。


今まで立ったことの無いような場所でのお芝居を

魅力的なキャストの皆さんと

素敵なスタッフの皆さんと作れることを

本当に嬉しく思っています。

無理に、とは申し上げにくいですが

楽しみにしていただけたら幸いです。


できれば上演までに

劇場に足を運ぶ事が毎日の「普通」の楽しみに戻っていますように。





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