中国語学習の心得(2)
外国語で日本語と同じ意味で同じ使い方をする単語や言い方があると思うことをまずやめよう
Twitterでとある日本人の方(中国語学習者)のツイートを見ていて、ふと思い出したことがある。
日本人学習者で多いのが、中国語でも他言語でもそうなのだが、日本語ありきで外国語に「無理やり」翻訳してしまうことである。
例えば、その人のツイートにはすごいすごい!という内容を中国語でそのまま意味も考えずに「厉害厉害」と訳して書いていた。
そもそも日本語のすごいだって色々なシチュエーションで使うし、そのシチュエーションに合わせた外国語をあてがう、もしくは似通った表現で翻訳しないといけないのだが、なんでも「〇〇」の中国語は「〇〇」と変な丸暗記をしていることが往々に見受けられる。
ネイティブからすれば、何が「厉害」なの?と「此人在说什么?听不懂」となる。
*例えば上記の例だと、YoutubeでHSKのノウハウを無料で公開するという内容について感動して「厉害」と書いていたのだが、ここではその大盤振る舞いに対して感謝するとともに、感嘆を現わす言葉で表現すべきである。私だったら「太感谢了」「我太感动了」「他真了不起」(表現が少しチープな感じになってしまうが…)などというだろう。共産党員的な言い回しだと、「我在此表示衷心地感谢」とでもなるだろう。
大事な事なのでもう一回言う。
日本語の言葉をただ単に外国語に翻訳すると意味合いが全く違う言葉であったり、そもそもその日本語の概念がその外国語にないことが多いから通じないのである。
例えば、日本語の御馳走様ですだとか、お疲れ様です、といった概念は中国にはないのでそれを中国語に翻訳して喋っても通じない。(通じると思っている人はたまたま日本人や日本語に理解がある人だけ、そこは勘違いしてはいけない)
近年日系企業で働く中国人が日本語と同じ意味合いで「辛苦了」を使うようになったが、そもそも中国語の辛苦了は誰かをねぎらう意味合いで使うので、日本語のお疲れ様(挨拶的な使い方)とは全く違う。むやみに誰にでも出合い頭「辛苦了辛苦了」を連発しているそこのあなた、その使い方おかしいのでやめた方がいいですよ。
日本語をそのまま中国語読みして社内で使う中国人達
中国の日系企業にいると、中国人スタッフが変な中国語を喋っているのによく出くわす。日本語の漢字をそのまま中国語の音で発音するのである。これには私は全く理解できないのだが、結構まかり通っているのが現状である。
例えば、「生地」。日本語では衣料関係(プラ成形でも使う)の言葉になるが、これを中国語でそのまま読んでもさっぱり意味が分からない。生地の中国語は「面料」なのだが、生地という言葉で工場とやりとりをしている人達を見て、半端ない違和感を覚える。工場の方も合わせてくれているのだろうが、このヘンテコな中国語何とかならんのか、と毎日気になってしまう(笑)
最後は、逆のパターン(中国語→日本語の直訳)をご紹介して今回の締めとしよう。
皆さま、中秋節おめでとうございます!
コーヒー噴いたわ(笑)中秋節の何がめでたいねん!(いや、人によってはめでたいのかもしらんが)と思わず突っ込んでもたわ。これも中国語の快楽を「おめでとうございます!」と変な丸暗記をしていることから起きる弊害の典型である。
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