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アイデンティティ

Wake up!その2

「アイデンティティ」

私は
狭い世界の
ひとつの規範の中で生きてきた
私の知ってる話
私の知ってる知識
私の知ってる世界

どこに居ても
井の中の蛙ということに気付けずに

そこしか知らずに
私自身が高ぶる
おごり高ぶる

そこから飛び出すと
世界は 実は
とても広いんだという事に
気がつく

でも 私はまた
狭い世界に入り込むんだ
新たな世界を知って
そこに入り込むと
そこにしか居たくなくなるから

ここが良い この世界が良い
ここは嫌 ここしか知りたくない
他の世界は間違っている
ここだけが真実 ここだけが正しい

まるで 外敵から身を避けるように
心の中を鎧でかくす
自分の心の中を
ドームで覆い尽くす

ここしか知らない
あそこしか知らない
いや
「知りたくない」

知れば知るほど
また 私の世界は狭くなる 窮屈になる

すると 誰かが私の心をノックする
「そこに居てはいけない」と

そしてまた 
「ああ間違っていた!」と
悲しみながら外に出る

新たな 新しい世界で喜び
その世界を深く知りたくなり
極めたくなり

そして窮屈になる

その繰り返し

そんな毎日 そんな年月
何度過ごしたのだろう

何度 繰り返せば良いのだろう

いっそのこと
誰が何と言おうと
自己破産しようと
家庭が崩壊しようと
究めてしまった方がいいのかさえ
思った事もある

すると やがて そこも実は
居てはいけない所だというのを
他の誰かから耳にするのだ

苦しくなる 苦しくなる

私は 間違っていた
だから また再び その新たな世界も脱出した

そして また改めて入った他の世界

そこも もしかしたら
間違っているのかも知れない

ふらふら ふらふら
ふらふら ふらふら

私は あと 何年生きられるのだろう?

自分というものを持つことさえ
怖いのだ

成り行きに身を任せる事を
子供の頃にすり込まされ
現実を見てこなかった間

年齢だけが 重なっていく

そのループを今こそ

断ち切れ!

歳をとって
何もかも手遅れにならないうちに

"私たちの齢は七十年。健やかであっても八十年。しかも、その誇りとするところは労苦とわざわいです。それは早く過ぎ去り、私たちも飛び去るのです。
だれが御怒りの力を知っているでしょう。だれがあなたの激しい怒りを知っているでしょう。その恐れにふさわしく。
それゆえ、私たちに自分の日を正しく数えることを教えてください。そうして私たちに知恵の心を得させてください。"
詩篇 90篇10~12節
聖書 新改訳©2003新日本聖書刊行会

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