「題名さえも、皆んなが◯◯だと言っている」
アナタは誰?
お前は だれだ?
お前は 何処の誰だ?何者なんだ?
お前はそもそもニンゲンなのか?生きているのか?
お前の存在は
スイッチのひと押しで
現れたり消されたりする
「ワタシの名前は、向日葵です」
その名前は誰がつけたんだ?
「えっ・・・・」
そもそもお前はそういう奴なのだ。
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ネットを調べよう
「痛みに耐えて良く頑張った!感動した!この赤ちゃんの名前は、◯◯だと皆んなが勧めるから◯◯にしよう」
『あらあ!良いわねえ』
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テレビを観よう
ネットを調べよう
「もう6歳になる、この子の学校は◯◯だと、皆んなが勧めるから◯◯にしよう」
『あらあ!良いわねえ』
本を読もう
新聞を読もう
テレビを観よう
ネットを調べよう
「お母さん!ボクの就職先は◯◯だと、皆んなが言ってるから◯◯に決めたんだ」
『あら、良いわねえ』
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新聞を読もう
テレビを観よう
ネットを調べよう
「お母さん!ボクの結婚相手は◯◯だと、皆んなが言ってるから◯◯に決めたんだ」
『あら、良いわねえ』
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テレビを観よう
ネットを調べよう
「妻よ!ボクの買う家は◯◯だと、皆んなが言ってるから◯◯にするよ」
『あら、良いわねえ』
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「妻よ!ボク達のつくる子供の性別は決めないほうがいい!と皆んなが言ってるから、男女どちらにも◯を付けないよ」
『あら、良いわねえ』
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ネットを調べよう
「妻よ!ボクのお母さんの入院先は◯◯だと、皆んなが言ってるから◯◯にしよう」
『あら、良いわねえ』
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「妻よ!ボクのお母さんの葬儀場は◯◯だと、皆んなが言ってるから◯◯にしよう」
『あら、良いわねえ』
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テレビを観よう
ネットを調べよう
「妻よ!ボクの子供の結婚相手は人間でなくも良い!と皆んなが言ってるから、自由に決めさせよう」
『あら、良いわねえ』
ちょっと待て!お前に問う
お前は だれだ?
お前は 何処の誰だ?何者なんだ?
お前はそもそもニンゲンなのか?生きているのか?
「生きているさ」
お前そのものが生きているのか?
「え、生きているだろ?ほら、こうして、心臓だって動いている!」
お前の存在は
スイッチのひと押しで
デリートされる
「ワタシの名前はひ、ま・・・わ、分からない、思い出せない!ワタシは、ボクは、誰なんだ!」
繰り返し 繰り返される
何度も 何度も
自分が自分でない歴史は
消すに限る
さあ スイッチを押せ!
お前が消えろ!
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「みんな!ワタシの消える時は皆んなが◯◯だと言ってるから◯◯にしよう」
お前は いなくなった
(初出 2022.8.20 コトバスラムジャパン名古屋大会 池下シアターココにて)